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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico15幸を願う者には福が来る
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けない。
「止まれ・・・」
涙を止めようと両手で目を擦る。
「止まれ・・・!」
ゴシゴシ。強く目を擦る。それからどれだけ経っただろう。大声で泣くことだけはなんとか耐えることが出来た。しかし体力だけは戻ることはなく、その場から未だに動けそうにない。もうこのまま消えてしまうのだろうか。主はやて達に別れを告げることも出来ないまま。
「なんて不孝者なのだろう・・・」
とうとう私はコテンと床に倒れた。脳裏に次々と浮かび上がってくるのはこれまでの生涯。オーディンと出会うまでの荒んだ時間。オーディンと出会ってからの幸せいっぱいの楽しかった時間。オーディンを喪ってから、主はやてと出会う前での辛かった時間。そして、主はやてと出会ってからこれまでの時間。
「・・・幸せにしてくれたから・・・、幸せにしてあげたい・・・」
だから選んだ消滅だっただろう、リインフォース・アインス。想いが私の体を動かす。上半身を起こし、キッチン台に手を掛け、両脚に今まで入いらなかった力を込めて立ち上がる。そして時間を掛けながらも破片を片付け、洗濯物を取り込む。今の私の仕事は、主はやて達が居ない間、家を守ること。今日で最期なら、せめて全ての家事を終えておきたい。
「――・・・はぁ・・・」
気だるいながらも家事を終え、私はリビングのソファに腰掛けて大きく息を吐いた。背もたれに全体重を預けて気を抜くと、急激な眠気に襲われた。なんとなく、眠ったらそのまま、なんて思えてしまう。
「すき焼きパーティが終わり・・・主はやて達がお休みになるまでは・・・」
今日1日だけは、主はやての誕生日だけは必ず生き残らなければ。背もたれから背を離し、前屈みになる。視線が床に向く。
「・・・!?」
私以外にこの家に誰もいないはずなのに、視界に誰かの爪先が映り込んだ。顔を上げるとそこには「・・・ルシル・・・?」私と同じ長い銀色の髪を有していて、そして蒼と紅の虹彩異色という特徴をした青年が立っていた。身長は180cmほど。ルシルの変身か、と一瞬過るが意味の無い行為をあの子はしないと知っているため、すぐに違うと捨てる。なら・・・
「オー・・・ディン・・・?」
私は幻でも見ているんだろうか。すでにこの世には居ないオーディンがそこに居て、私に微笑みかけていた。あぁ、たとえ幻でも再びあなたと出逢えたことは嬉しいです。
「オーディン。私、頑張りました」
「・・・」
「精いっぱい生きました」
「・・・」
「でも・・・まだ、まだ死ねないんです・・・」
「・・・」
オーディンの幻が私の頭に手を伸ばし、そっと撫でてくれた。久しぶりの感触に嬉し涙が出る。感極まった私は、不思議なことにスッと立ち上がることが出来て、そのままオ
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