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もう一度、大空に
1.日々の崩壊
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まぁ、君も災難だったね?彼の傍にいたせいでこんなことに巻き込まれて。フフッ。・・・・・・じゃあね、この世界の彼の大切なモノ」
 光が少女に降りかかった。少女は最後まで白い悪魔を睨みつけていた。
 自身の体から流れ出ていく濃い紅をその瞳に映しながら、少女は願う。

――どうか、もう一度

 薄れゆく意識の中で少女は祈る。

――たとえ、どうなってもいい。どんなことになってもいい。だからどうか

 少女の最後の願いは聴き届けられるのか・・・・・・。

―――どうか、もう一度、彼と共に―――

 最後に残ったのは、息絶えた少年と彼を守るように覆いかぶさる少女の亡骸だけだった。





 「おはよう」
 学校で、教室に入ると、小さい時から聞いている声が聞こえた。ユウナ、西尾佑那はその声に振り返り、挨拶を返す。
「おはよー。今日は早いね。明日は雪か〜?」
 と笑いながら言えば
「なっ!失礼な奴だな!たまたま早く起きただけだ」
 といつものように突っ込まれた。明るい茶髪は相変わらず重力を無視して跳ねている。佑那はその様子を見ながら嬉しそうに笑う。
 こんな何気ない会話ですらなぜだか嬉しく感じてしまう。
「まーたいちゃついてんのか、お前ら」
 突然後ろから声をかけられ、佑那は驚いてに振り返る。そこには黒髪でそこそこ身長の高い、メガネをかけた男子生徒がいた。
「シグレ!いきなり声かけるな!そしていちゃついてなんてない!」
「そうだよ。シグレ。勝手なこと言うなー」
 司桑煉太朗(しぐわれんたろう)。茶髪の彼と同じで佑那たちの幼稚園からの幼馴染。名前をもじって、シグレというあだ名をつけた。レンでいいのではという人もいるが、ありきたりだからという理由で却下された。
 ちなみにさっきの言葉は、佑那、茶髪の彼の順だ。
「いつも仲良く、二人一緒じゃねーか。もういっそのこと付き合えよ、お前ら」
 とシグレに呆れ半分、冗談半分で言われた。「うるさい!」、と突っ込んでいおいて、赤くなった頬を誤魔化(ごまか)すように佑那はそっぽを向いた。幼馴染三人揃って、高校生にもなって彼氏(彼女)いない歴イコール年齢である。ユウナも欲しくない訳ではい。けど、今のこの場所が一番落ち着くから他の場所を欲していないのかもしれない。
 そんな風に、いつもと変わらないいつもの会話、いつもの笑顔を交わしていた。
 今日も平和に平凡に終わると思っていた。終わってくれると思っていた。この時までは―――



 いつも通り授業を受け、隣で寝そうになっているシグレを叩き起し、昼には屋上で3人揃ってお昼を食べる。いつも通りの日々に佑那はどこか安心していた。ずっとこんな日々が続いていくと。
 それは突然終わりを迎えた。
 まばゆい光が見えたと思っ
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