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第二章

「そうなるな」
「いえ、それは」
「隠さなくていい。事実だ」
 従者にだ。己への気遣いはいいと告げたのである。
「ひいては私がその地を汚し」
「そしてですね」
「多くの民を殺す。それは事実だ」
「しかしそれでもですか」
「私は行く」
 毅然とした言葉はそのままだった。
「巨人を倒しにな」
「必ず。倒されますね」
「そうだ、倒す」
 また言う彼だった。
「そうする」
「わかりました。それならです」
 従者もだ。ホリンの言葉を聞いてだ。
 強い顔になってだ。こう彼に言った。
「では。私もまた」
「共に来てくれるか」
「はい、ホリン様と共に」
 そうするというのである。
「では今より」
「済まないな」
「御礼はいいです」
 それはいいとだ。今度は彼が言うのだった。
「それが私の役目ですから」
「それでか」
「そうです。では行きましょう」
 愛蘭の緑の平野を進みだ。二人はその巨人がいる地に向かうのだった。そこは既にだ。
 荒廃しきっていた。家々は壊され畑が踏みしだかれだ。そうした場所が紫色の爛れてだ。不気味な瘴気さえ漂っている始末だった。
 その地に着いてだ。ホリンは村人達に問うた。
「巨人は何処にいる」
「海辺にいます」
「そこの洞窟に」
 その居場所をだ。彼等は怯える声で話す。
 多くの者が傷つきだ。腐ろうとしていた。嫌な腫瘍が出来それが腐っている者や鼻や耳が落ちている者までいる状況だった。
 よく見ればもう立てなくなった者も家の中にいる。そうした者達を見ながらだ。
 ホリンは村人達の話を聞き。そうしてだった。
 すぐにだ。従者に言うのだった。
「では今からだ」
「早速なんですね」
「巨人を倒しに行く」
 そのだ。海辺の洞窟に住んでいるその巨人をだ。
「いいな。それではだ」
「わかりました。それじゃあ」
 従者も頷きはした。しかしだった。
 彼も村人達を見ていた。その無惨な姿を見てだ。 
 顔を青くさせていた。状況は彼が思っていたよりも深刻だった。しかしだ。
 ホリンはそうしたことも表情に出さずだ。彼に言うのだった。
「行くぞ」
「ええ、じゃあ」
「御前は見ているだけでいい」
「あの、それでは」
「それでいい」
 ホリンは自分だけで戦うつもりだった。彼だけでだ。
「私だけでな」
「しかし相手は」
「私なら倒せる」
 その毒の巨人もだ。そうだというのだ。
「戦いについては安心していい。それに」
「それに?」
「御前は背負わなくていい」
 こうも言うのだった。
「背負うのは私だけでいい」
「背負われるとは」
「わかる。それもな」
 こんなことを話してだ。彼は従者を連れて海辺の洞窟に向かうのだった。そこに辿り着くとだ。ホ
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