第十六話 町田大尉!!路線変更はどうなる!その四
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「そしてそのうちの一粒」
「御飯一粒程度ですよ」
正義の前にはだ、彼等の日頃の行いなぞというのだ。
「全然ノープロブレム」
「作中のモブ連中はわかってないんですよ」
「まさに民衆の無理解に苦しむ悲劇の思想家」
「俺達はそれなんですよ」
強引に自分達をそうした設定にして語るのだった。
「だからそんな些細なことでブーイングするなってんですよ」
「ましてや路線変更とか」
「そんなのモブ連中が言うなってんですよ」
「それは主役の決めることですよ」
作者ではなく、というのだ。
「決定です、主役はこれからも俺達」
「路線変更するのなら俺達がモテモテになる路線にしましょう」
「女の子にもてまくってしかも無敵の主人公二人」
「コブラみたいに渋い」
「これでいきましょう、これで」
「もう決定ってことで」
こう強引に決めようとする、だが。
悪田部は二人にだ、この事実を告げた。
「作中での路線変更への支持、世界各国での投票の結果だが」
「ええ、何パーセントですか?」
「そんなのもあったんですね」
「百パーセントで支持だった」
つまり地球の全ての人間が支持しているというのだ、少なくとも投票に参加した人間は。
「十億の投票のうちな」
「反対は一票もなし、ですか」
「十億もあって」
「そうだ、一票もなかった」
まさに、というのだ。
「完全に百パーセントだった」
「それはまた凄いですね」
「普通ないですよ、そんな投票結果」
「俺達の人気って凄いですね」
「つまり誰も主役になるなっていうんですか」
「これ以上はですか」
「さっさと主役から降りろ」
「そう言ってるんですね、どいつもこいつもだ」
「そして投票の際のコメントだが」
その世界の人達のそれはというと。
「読んでみるか」
「はい、読ませて下さい」
「どんなこと言ってやがるのか知りたいです」
「俺達の正義にどれだけ無理解なのか見てやりますよ」
「こうなったらとことんまでしてやります」
「ふむ。マゾなことだな」
悪田部は二人のコメントを聞いて述べた。
「それはまた」
「マゾってまさか」
「悪口のオンパレードですか」
「これがそれだ」
そのコメントだとだ、悪田部は二人に一枚のコピーしたそのコメント集を差し出した。二人はそれを読んだ。
「ええと、死ね!」
「さっさと成敗されろ!」
「地獄に落ちろ!」
「主役でこれ以上いるな!」
「シベリア送りになって死ね!」
原文そのままである。
「閻魔様に裁かれろ!」
「二度と人界に出て来るな!」
「主役交代しろ!」
「路線変更賛成!」
「さっさとあの二人主役から降ろせ!」
「降格だ降格!」
こうしたコメントばかりだった、そのコメントを見てだった。
二
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