空白期 中学編 12 「キリエとのデート?」
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、ショウ君も一緒に見て回るに決まってるじゃない。似合ってるかどうか聞く相手はほしいし」
「何でも似合うので俺の意見は必要ないと思います」
「却下、君も一緒に来るのよん」
……分かったよ。でも服とかアクセサリーのところしか行かないからな。男の俺が水着とか下着の売り場に行ったら問題になるだろうし。
軽い足取りで店内を進んでいくフローリアンのあとを追う形で俺も歩いていく。それなりにカップルや親子で来ている客がいるので居心地はさほど悪くないが、抵抗を覚えてしまうのは俺がまだ彼女に慣れていないからだろう。
「あ、ショウ君これなんかどうかしら?」
フローリアンが手に取ったのは淡い青色のシャツ。見ている者に涼しげな印象を与えるので夏場の服としては好ましいだろう。だがしかし
「……何で男物なんだ?」
今日はお前の買い物に来たはずだろ。どうして男物に手が伸びるんだ。発育の良い体が原因で大きめのサイズがほしいとしても、お前くらいの体格なら女性用の大きめのサイズで事足りるだろうに。
「何でってショウ君に合うかなって手に取ったからよ」
「俺のじゃなくて自分のを選べよ」
「別にいいじゃない。時間はたっぷりあるんだし、淡々と買い物をするだけじゃつまらないでしょ」
いや別につまらなくはないし、可能な限り早く終わらせてもらったほうが個人的にはありがたいのだが。一緒に居る時間が延びれば延びるほど知り合いに出会う可能性が高くなるし。ディアーチェあたりならまだいいが……
「……え」
なぜ自分に都合が悪いことを考えるとそれが現実になってしまうのだろうか。
目の前には服を手にしている金髪の少女。長く伸びた髪は先端のほうで結ばれてばらつかないようにしてある。こちらを見る顔は驚愕のまま固まっており、実に分かりやすい反応だ。
少女の名前はフェイト・T・ハラオウン。かつてこの店でクロノへの服を一緒に選んだことがある人物だ。彼女ならばここにいてもおかしくはないが……今日に限って会わなくてもいいだろうに。
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