外伝:俺達はいつだって
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の車いすと足並みをそろえながら話をしていた。
「………結局はパーティメンバーも喧嘩別れしちまったのを気にしてたみたいでな。ま、互いを認め合って和解したって訳だ」
「よかった……仲違いしたままなんてちょっと悲しいもんね」
車いすに乗っている木綿季が胸を撫で下ろす。自分の事みたいにホッとする彼女を見ていると、ちょっとはお膳立てをした甲斐があったなと素直に思える。
俺は今、木綿季と一緒に院内を散歩している。最近は彼女たっての希望でこうして一緒に移動すことも増え、割と慣れてきた自分がいる。彼女は一応歩けはするのだが、いまだにリハビリ中なので無理が無いよう車いすを使っている。見舞にしょっちゅう来ている所為もあってか看護師の人達に生暖かい目で見られるのは少々複雑だが、こうしているとなんだか居もしない妹の世話を焼いているようでちょっと楽しくもあった。
「今はパーティ再結成して大暴れだ。えげつない実力らしいぞ。『絶剣』としては気になるところじゃないのか?」
「うーん……アスナでも追い付けない実力者かぁ。戦ってみたいかも!」
「そういう事なら俺から声をかけておくよ」
「本当!?流石お兄ちゃんは顔が広いね!よーし、そうと決まれば久々にアスナとデュエルでも………って、そういえば最近アスナと連絡取れないんだよね。皆も心配してるし……」
「そういえばキリトも行方をくらましてるらしいな。ま、あいつらの事だからそのうちひょっこり帰って来るだろ」
「それはそうだけど……心配だなぁ」
木綿季は憂鬱そうな溜息をついたが、俺は別に心配していなかった。何せ俺の何千倍も強い二人だ。例え面倒事に巻き込まれてもどうにかして突破口をこじ開けるだろう。
「あいつらは何もしないまま消えていくようなやわな奴等じゃないさ。何せ天下無双、唯一無二の名コンビだからな」
「それもそっか。帰ってこないようなら探しに行くって手もあるしね……お兄ちゃんが」
「俺がかよっ!?」
ツッコんだ俺を見て木綿季は可笑しそうに笑い、ちょっと悔しかった俺は木綿季の頭を意味もなく撫でまわした。
「お前なんかこうしてやろう。うりうり」
「やだ、くすぐったいってばー!……あははっ♪」
最近はこうしてじゃれ合うことも増えてきている気がする。
恥ずかしがりながらもはにかむ木綿季の愛らしさもまた、見ていた楽しかった。
なお、それを見ていた看護師に「仲のいい兄妹ね」と微笑ましそうに呟かれて互いに顔を真っ赤にする羽目に陥ったことを追記しておく。
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