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俺ガイル設定T
1話
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。クラスでいじめに乗り気でいるのだから。天才少年に学校で味方する者はいなかった。担任教師も天才少年の見た目の変化は気づいていたはずなのに、見て見ぬふりをして何も言わなかった。結局それは事故として扱われ、天才少年のみが被害を一方的に受けただけだった。
 家では妹が、世界中でただ一人の味方だった。親が何も言わない今、妹のみが声を掛けてくれた。
「お兄ちゃん大丈夫?」
「ああ。大丈夫だよ」
それだけ言い頭をなでる。妹は嬉しそうにし、言葉を繋げる。
「私にできることがあったら何でも言ってね。できるだけ力になるよ」
「その時は頼りにしているよ」
少しだけだが会話をして、寝床につく。天才少年にとってはこれが1日でただ一つの喜びだった。


 天才少年は朝起きてからは朝食なんて食べさせてもらえるわけはなく、ただ起床し、学校に行く準備を整えてから家を出る。学校までは到着する時間を考えると大体5〜6キロある道を行く。8時から学業などの学校での生活は始まるので、7時半程に最低でもつくようにしないといけない。そのためには家を6時〜6時半には出る必要があるため、毎朝家の中の誰よりも早く起き、気づかれないように家をでていた。家にも学校にも居場所はなく、本人もいきたくないためか道中はゆっくり行くなどして、できるだけぎりぎりに登校するようにしていた。
 
 虐めの起きる原因はその頭の良さにあるため、授業に関してはそつなくこなしていた。わざとできないこといすれば虐めが無くなるのではないかと思う人もいるかもしれないが、もう遅い。一度始まったものはそう簡単には終わらない。天才少年は運動神経は抜群だが、多勢に無勢だ。数にはどんなに質が良くとも塵が積もればなんとやら。勝てなかった。休み時間はただ耐えて過ごすしかなかった。

 そんなことが中学卒業時まで続いた。義務教育の九年間はあっけなく。天才少年に手を差し伸べられることなく終わった。

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