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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十四話 ヴァルハラへ
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。ヴァレンシュタインはその男達に勝つために能力を、プライドを捨てろと言っている。しかし勝つためとはいえ艦隊の指揮を放棄するとは……。思わず首を横に振った、途方もない事を考える男だ。
「しかし、それでは損害が……」
アーベントロート中将が口籠った。言いたかった言葉は分かる。消耗戦になれば損害が馬鹿にならない、そういう事だろう。だがヴァレンシュタインは表情を変えることなく言葉を続けた。
「混戦状態になった時点で接舷攻撃を行い戦艦を二隻奪取します」
「……」
「その戦艦を使いブリュンヒルトに近付き接舷攻撃をかける、そして内部を制圧する」
ざわめきが起きた。皆が俺とオフレッサーを見ている。接舷攻撃、つまり主役は陸戦隊、俺とオフレッサーか。二隻と言うのはそれぞれ一隻ずつ、どちらか一方が辿り着けば良いという事だな。オフレッサーが静かに興奮を見せていた。死に場所を得た、そう思っているのかもしれない。俺も少し興奮している。
「二隻では少なくありませんか?」
「あまり多いと怪しまれますよ、シュムーデ中将。二隻はローエングラム侯を守るためと言ってブリュンヒルトに近付く。混戦状態ですからおかしな事では有りません。そして隙を見て接舷攻撃をかける。上手く行けば早い時点で決着が着くでしょう」
会議終了後、艦橋に戻ってから何故エルウィン・ヨーゼフ二世の事を話さなかったのか訊いた。オフレッサー、フェルナー少将が訝しげな表情をしたので説明すると二人とも頷いている。それを見てヴァレンシュタインが微かに苦笑を浮かべた。
「戦う前から戦わずに済むかもしれないとは言えません。上手く行かない可能性も有るんです。皆に弛んで欲しくは有りません。そういう事が許される相手ではない」
「……」
「最悪の場合は延々と潰し合いが続きますよ、地獄です」
もう苦笑は無かった。憂鬱そうな表情だけが有った。
帝国暦 489年 1月 18日 ヴァレンシュタイン艦隊旗艦 スクルド アントン・フェルナー
エーリッヒの私室に四人の男が集まった。エーリッヒ、俺、リューネブルク中将、オフレッサー上級大将。決戦前に少し飲みたいとエーリッヒに誘われた。そしてリューネブルク中将、オフレッサー上級大将がそれに合流した。エーリッヒはフルーツワイン、他の三人はウィスキーの水割りを飲んでいる。
「ヴァレンシュタイン、感謝しているぞ。卿は最高の舞台を用意してくれた」
オフレッサーの言葉にエーリッヒが首を横に振った。
「喜ぶのはまだ早いでしょう。エルウィン・ヨーゼフの説得が上手く行けば戦わずに勝てる。それに失敗しても接舷攻撃が上手く行くとは限らない、乱戦ですからね、味方に撃沈される可能性も有る」
「それでもだ、俺は卿に感謝している。卿は如何思うのだ、リ
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