ターン21 鉄砲水と愉快な奇術師
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間違いだったかな。
「なんにせよ、今できることをやるだけかな。白銀のスナイパーを召喚!」
召喚したところで一度動きを止め、もう一度セットモンスターを見る。本当に、ここであっちを攻撃すべきだろうか。せっかく攻撃力で勝ってるんだから、アチャチャチャンバラーをとりあえず破壊すべきではないだろうか。だけど、もしあの伏せモンスターが雪女か魔女、はたまた別のゴーストリックなら次のターン反転召喚してくるだろうし、そうしたらゴーストリック特有の『他にゴーストリックの仲間がいない限り召喚できない』制約もパーになって勝負の流れを完全に掴まれてしまう。そんな迷いを読み取ったのか、稲石さんがふっと笑う。そのドヤ顔が何だかイラッときて、そのおかげで吹っ切れた。
「ええい、もう!じっとしてるなんてらしくない、伏せモンスターに攻撃するよ!」
白銀のスナイパー 攻1500→??? 守600(破壊)
あっさりと攻撃は通った。スナイパーさんが無事ということは、あのモンスターは雪女ではない。じゃあいったい、と思う間もなく、稲石さんがモンスターゾーンから外したそのモンスターをこちらに見せた。
「その、カードは……!」
「メタモルポットのリバース効果、発動。お互いに手札をすべて捨てて、カードを5枚ドローするよ。清明、君なら絶対この場面では攻撃してくると思った。ギリギリ魔女でも破壊できない守備力1200のモンスターを引いたあたり、運も強い。だけど、まだ自分の方が読みは上だったね」
何も言い返せない。手札を捨てることなく5枚ドローできたけど、まったくそれが喜べない。なにしろ、次にターンの回ってくる稲石さんもまた5枚のカードを引いたのだから。
せめて、せめてこの5枚のカードで防御策を。そう思ってばっと目を通す。レベル4以上のモンスターによる直接攻撃を封じるトラップカード、バブル・ブリンガー。それに守備力3000、だけどウォーターワールド適用下では2600の壁になる罠モンスター、メタル・リフレクト・スライム………今はこれしかない。
「カードを2枚伏せて、ターンエンド」
稲石 LP1500 手札:5
モンスター:アチャチャチャンバラー(攻)
魔法・罠:リビングデッドの呼び声(対象なし)
うごめく影
清明 LP900 手札:3
モンスター:白銀のスナイパー(攻)
魔法・罠:2(伏せ)
「さあ、自分のターン!この手札なら、一気に勝負を決めさせてもらうよ!」
やれるもんならやってみろ、こっちには2枚の防御札が残ってるんだ。そう言い返したいところだけど、それができなかった。稲石さんほどの実力者相手に、この2枚だけでどこまで持ちこたえられるか。
「まず、召喚僧サモンプリーストを召喚。このモンスターは召喚
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