ターン21 鉄砲水と愉快な奇術師
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、見つけた時は弱ってたのにもう復活するとかさすがデュエリストだ。
「………というわけで、今日からこのデュエルアカデミアを舞台とし、若きデュエリストたちがメダルをかけて腕を競い合う大会、ジェネックスの開始を宣言して。近日中にこの企画に賛同したプロデュエリストもこの島にやってくると。で、それまでの間に少しでも腕を磨くもよし、自らのデッキを強化するもよし。ただし、メダルを持っている生徒は最低でも一日一回のデュエルが義務付けられますので、忘れないように………でオーケー?」
『………ああ、そんなところだな』
なんだかいっぺんに情報を詰め込んだのでパンク気味になった頭を冷やすこともかねて、チャクチャルさんにジェネックスの内容を確認しつつ、ついさっき配られた銀色のメダルをクルクルと回してみる。片面に『GX』と描かれた―――――なんでもGeneration neXtという意味が込められているらしい、決して高級品ではないもののどうしようもない安物ではない、ごく普通のメダルだ。全校生徒プラスアルファの分だけ用意してるはずなのにこのクオリティを保てるなんて、やっぱりバックに海馬コーポレーションがついてるだけのことはある。
『そ、それで、マスター。最初の相手は誰にするんだ?』
チャクチャルさんのもっともな疑問に、腕を組んで考える。十代は大物狙いで船で来るにしろヘリで来るにしろ確実に通ることになる港で待ち構えてるし、翔は早々に1年に無理やり勝負を挑んで逃げ切ろうとしている。剣山は剣山で頑張ってるし、その他の僕の知り合いもほぼ全員今日はデュエルを終えている。
「出遅れちゃったからねぇ。うーん、どうしようか」
『何か、心当たりは?』
「心当たり、ねえ………」
知り合いの顔をつらつらと思い浮かべる。どうせ最初なんだから、十代みたいにプロを狙うのもいいかも。どうせ負けたらメダルは総取りされるんだし、どこかでプロに当たるなら最初からいってみたい。と、そこまで考えた時、もっと先に会っておくべきだった人の顔が頭に浮かんだ。気まずいからあんまり会いたくはないけど、どこかで謝らないといけないのはわかってるしね。
「よっこらせ、と」
『む?』
「まあね。ちょっと行ってくるよ。稲石さんに会いに」
稲石さん。元は豪華だったが今は見る影もない廃寮住まいの幽霊。身元も死因すべてが不明というよく考えたらとんでもなく怪しい人ではあるけれど、面倒見のいい人だ。ちょっと先代ダークシグナーのせいで荒れてた時期に喧嘩して以来会ってないけど、そろそろ仲直りしたいとはだいぶ前から思っていたことだ。思っていたことではあるのだが。
「………とはいってもねぇ」
『そんなに、躊躇、するような、ものかね。もう、門の、前
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