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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第九話
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そのこともあり、歩幅が普通の人より短く、速度も少し遅い。
初対面の人は気づくかず、はやてが少し小走りにしないと追いつけないのが小さなコンプレックスでもあった。
だが朝我は、最初からはやてに合わせた速度で歩くことができた。
別に話したわけではない。
本人も気づかないほど自然に、ごく当たり前のように彼ははやてのペースに合わせていた。
なのは達の影で、なのはの事故のショックで執務官試験に落ちたフェイトのことを気にかけたのも朝我だった。
当時、なのは達ですら気付けなかったほど、フェイトは自身のショックを周囲に隠していた。
なのはに負担をかけたくなかったと言う意思が何より強かったからだ。
だが、朝我はフェイトが何かを隠していることに気づき、そっと寄り添ってくれた。
彼から何かを聞いてくることはなかった。
ただ、傍に居た。
一人にはしても、孤独にはさせなかった。
それが当時のフェイトにとってどれほどの支えになったか、それは現在のフェイトの様子を思い浮かべれば言わずもがなといったところだ。
「朝我……どこに行ったんだろ……」
そんな彼だからこそ、いやでも気になってしまう。
なのはとはやては強く、フェイトはもっと強く。
彼は、自分のことを話してくれないから。
いつも他人のことを知り、他人の中に支えとして存在する。
だが、では彼には誰が居るだろうか?
そもそも、彼には誰か居ただろうか?
本当の意味で独りなのは、彼なのではないだろうか?
そう思ってしまうような彼が一人、又は独りで、どこかに向かった。
知る限り……いや、“思いつく”限り、彼がショッピングに興味があるとは思えない。
様々な服を持っており、それが三人の好みに合うが、それでも彼が積極的にファッションに興味がある人間だと思うこともできない。
散歩を理由に彼が出て行くとも思えない。
――――何か目的がある。
三人の思考は合致した。
「……ちょっと動いてみる?」
なのはの提案に、フェイトとはやては真剣な表情で強く頷いた。
*****
デバイスを起動させ、BJを身にまとった朝我は、地下水路の中を走っていた。
同じような景色が続き、途中に分かれ道がある、まるで迷路のような場所を彼は迷いなく駆け抜けていく。
常に彼にはネクサスから送られてくるルートを通っているためである。
そしてしばらく答えの分かっている迷路をくぐり抜け、朝我は遂に見つけた。
「何とか見つけられたな」
《ええ、一巡目通りですね》
朝我とネクサスは、目の前で倒れている少女を
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