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魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第九話
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いいだろうと思えた。
『零君、零君!
ちょぉ、これ被ってみぃ?』
そう言ってはやてに渡されたものを、朝我は言われるがままに頭につけてみた。
――――それは何故か白とピンクの兎耳だった。
『って、これもファッションの内に入るのか!?』
『あっはは〜!
当たり前や、冗談や!』
『人が無知だからってこれはどうかと思うんだけど!?』
はやての悪ふざけに、朝我が怒ると言う構図は、一巡目からのことだった。
彼女は決して、本気で朝我を深いにさせるようなことはしないが、緊張感を解くような、楽しむためにそういったことをしており、朝我もそれを理解した上で付き合っていた。
そんな二人の姿をなのはとフェイトが笑いながら見つめ、程よいタイミングで止めに入るのがお決まりの流れ。
そして色々な服を試着して、何着も購入したのが、機動六課に入隊して丁度今頃の思い出。
「……」
あの頃は外出の際など、彼女達が服を選んで、いつもいつも『キマってるよ』とか『今日もカッコイイよ』などと頬を赤らめて褒めてくれた。
「お世辞なのは、分かってるんだけどな……」
それでも嬉しいと思い、気づけば色んな服を着ていた。
だが、どうも自分にはセンスと言えるものがないらしく、自分で選んだ組み合わせの評価は良くなかった。
……だからだろうか。
「この服装、合ってるのかな……」
鏡に写る自分の顔は、いつだって自分の想像よりも不細工だ。
イヤホンで聴く自分の声は、いつだって自分の想像よりも汚い。
何かを通して知る自分とは、いつだって想像よりもひどく、醜い。
だから今、鏡に写る自分の服装が、姿が、進んでいる道が正しいのか、分からなかった――――。
*****
ミッドチルダ首都/クラナガン。
近代都市と言えば大方の町並みを想像できるだろう。
高層の建築物が多く、最先端医療が取り入れられた病院施設や、流行に乗った老若男女に合わせたものを販売する店があったりするような街。
場所によってはデートスポットと言われるものもあり、多くの人々が利用している。
別世界からの観光客も多い街に朝我は繰り出し、目的地に向かって歩いていた。
「こうして街に出るのも久しぶりか……」
《半年ぶりですね》
最後に訪れたのは、機動六課へ入隊する際に荷物を届けた帰りにスバルとティアナの三人でのことだった。
ほとんどの時間をスバルの食べ歩きに費やした印象が強く、あとはショッピングかゲームセンターの二つほどしか覚えていないような、そんな一時だった。
しかし、それでも彼にとっては充分に楽しかった思い出であり、街を歩けばそう
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