4部分:第四章
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第四章
カルキノスを踏みつけだ。その渾身の力で彼を踏み潰した。彼は瞬く間に息絶えてしまった。
「カルキノス!」
ヒュドラーは友の死に叫び声をあげた。だがそれに気を取られ。
ヘラクレスの剣に心臓を貫かれた。まさに一瞬の隙を衝かれた。
こうしてヒュドラーはヘラクレスに倒されてしまった。彼の知らないことだったがヘラクレスはヒュドラーを倒す様に命じられていた。それでここに来たのだ。
ヒュドラーは最後の首を切られその首は地面に埋められた。そしてその彼にだ。
カルキノスは最後の力でだ。こう言ったのだった。
「御免、君を守れなかったよ」
甲羅は割られ潰れていた。それでも何とか言ったのである。
「守る。助けるって言ったのに」
「いいよ」
だがその地面の中からだヒュドラーは言うのだった。
「本当に俺の為に来てくれたから。俺はさ」
「君は?」
「ずっと孤独だったから」
このことをだ。今も話すのだった。
「こんな恐ろしい姿で毒もあるから。けれどその俺を受け入れてくれて」
そしてだというのだ。
「友達になってくれて。最後まで俺の為に来てくれたから」
「だからなんだ」
「いいよ」
それ故にだというのだ。
「気にしないで。それじゃあね」
「死ぬんだね。君も」
「そうだよ。けれど死ぬ時も一緒だから」
友であるヒュドラーとだ。共だからだというのだ。
「寂しくはないよ」
「そうなんだ。じゃあ俺もね」
「君もなんだ」
「寂しくはないよ。君と最後まで一緒だからね」
ヒュドラーは薄れゆく意識の中で微笑みだ。そのうえでだった。
カルキノスと微笑み合いつつだ。そのまま静かに息を引き取ったのだった。
そしてカルキノスもだ。そのヒュドラーと共に死んだのだった。
その彼等を見た者がいた。天空の女神ヘラだ。ヘラは彼等が死ぬのを見てだ。己に使える従神達にだ。こう告げたのだった。
「あの者達を夜空にあげなさい」
「あの蟹と蛇をですか」
「そうせよというのですか」
「はい、そうです」
まさにそうだとだ。ヘラはオリンポスから彼等、沼のほとりで息絶えている彼等を見ながら述べた。
「そうするのです」
「ですがカルキノスもヒュドラーも怪物ですが」
「それでもなのですか」
「怪物であろうと何であろうと」
そうしたことには構わない。ヘラは己の従神達に言い切った。
「彼等は夜空にいるに相応しいことをしたのですから」
「だからですか」
「彼等を夜空にあげる」
「そうされるのですね」
「そうです」
ヘラは彼等の亡骸を見続けている。そこには嫌悪はなかった。
むしろ心打たれたものがあった。そしてその心のまま己の従神達に告げるのだった。
「是非共。いいですね」
「わかりました。では」
「
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