下忍編
カンクロウ
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らば、だが。
寸での所で防御が間に合っていたらしいと、自らの手ごたえに舌を打とうとしたカトナは、見た。
目の前の、傀儡人形の頭が、ないことを。
驚くと同時に後ろに振り向いた彼女は、目撃する。
飛んでいる傀儡人形の頭と、口から飛び出ようとしている苦無を。
理解して、回避行動をとろうとする。
が、しかし、僅かに傀儡人形の方が、はやかった。
口から飛び出た苦無を避けきれず、切っ先が肩を掠める。そして、僅かな毒が、出来た傷口から侵入する。
思わずそちらに目を遣ろうとしたカトナの気を逸らさないように、待ってましたと言わんばかりに、カンクロウは持っておいた苦無をありったけ投げる。傀儡人形もまた、その主に倣うように口から投げる。
傀儡の口から、カンクロウの手から、放たれる苦無の弾幕の嵐を避けながらも、しまった、と慌てて自身の傷口から血を吸おうとするが、肩にできた傷など血を吸いたくても吸えるわけがない。
しかも、少量の即効性の毒薬というのは回るのが速い。それが血液で、しかも今の様に有酸素運動が行われている状態なら、なおさらだった。
やっと、苦無での攻撃が終わったころには、完全に、毒は彼女の体に回っていた。
ふらふらと、自分の意思とは関係なく、おぼつかない足取りで揺れるカトナを見ながら、カンクロウは、今頃この戦いを観戦しているだろう我愛羅を思った。
風影の息子であるカンクロウは、血を分けた弟である一尾の人柱力のことが苦手であった。
どうしたって理解できない、どうしたってわかりあえないもの。
それが彼にとっての弟であり、それが彼にとっての人柱力だった。
だから、彼はカトナを見たとき驚いた。
冷静かつ温厚。自分の弟とは違い、自分の感情をコントロールできる人物。
それは、彼が今まで持っていた人柱力に対するイメージを、真っ向から覆すものであったからであろう。
だからこそ、彼はこんな無謀なことを挑めたのかもしれない。
と、自らをそう判断しながらも、カンクロウはじりじりとカトナとの距離を詰める。
音の里と砂の里による木の葉崩しが水面下で進む中、カンクロウはある重大な任務を任されていた。
それはうずまきカトナの暴走…あの13年前の悪夢の再来を起こすことである。
カンクロウがつかった毒は、服用すれば、眩暈、吐き気、頭痛、震え、幻覚を伴い、相手の思考を奪う毒と、もう一つは痛覚を刺激することで激痛を与える毒。そして、彼女のチャクラを暴走しやすくする薬であった。
本来は拷問に使われる類の毒なのだが、カトナに勝つにあたってこれ以外のないだろうと考えていた。
砂の里と手を組んだ音の里の長…大蛇丸からもたらされた情報の中で、カンクロウが特に着目したのは、彼女の卓越したチャクラコントロールとその思考の冷静
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