アフターストーリー
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5年後の空の音
あの夢の遊園地に行って、もう何年たっただろう。私はもう大人に近い子供になっていた
お兄ちゃんたちは去年、成人式を迎えて、家を出ていった
私は一人になってしまった。お兄ちゃんたちは、2日に一回、代わる代わる家に来てくれるが、やっぱり寂しかった
「やっぱり、私はまだ子供だなぁ。お兄ちゃんみたいに、強くはなれないや」
敏晴お兄ちゃんのように、自分の夢に忠実で、追いかけ、叶えるほどの力もなく
高晴お兄ちゃんのように、誰かを助けたいという願いを叶えるために、ヒーローになる、ように上手くもいかない
結局、私は何もできない子になってしまった
あの、遊園地で私を助けてくれた、高晴お兄ちゃんは、どんな思いで、私を助けたんだろう
やっぱり、願いに忠実で、それを叶えるために、一生懸命走り回ったんだろうか
「あーあ、お兄ちゃんみたいになれたらな」
そう言って、私は自分の部屋の机の中にしまってある、遊園地のチケットを取り出した
と、言っても、私が青い紙に「遊園地のチケット」と書いただけなのだが
あの場所に、また行けないだろうか。もう一度行けたなら、お兄ちゃんの気持ちが分かるかな
その時、青い紙が輝きだした
その輝きで、思わず私は目を閉じた。紙が輝きを失い、元の紙に戻るころ、俺は目を開けた。私は、遊園地の中にいた
これは、見覚えがある。私が来た、あの天空遊園地だ!
でも、なんで?遊園地は、敏晴お兄ちゃんが消したはずじゃ・・・・
「えーん・・・・お父さん、お母さん、どこ?ここ、どこ?・・・・」
すると、メリーゴーランドの前で、泣く男の子を見つけた。5歳くらいの、男の子だった
もしかして・・・・お兄ちゃん?昔の?そうか、ここは、時空が混ざっている世界なんだっけ
私がお兄ちゃんのようなら、どれだけ良かっただろう。お兄ちゃんのように、ヒーローになれたなら・・・・
いや、待てよ?今こそ、お兄ちゃんに恩返しをするチャンスなんじゃないのかな
お兄ちゃんは私を助けてくれた。なら私は、お兄ちゃんを助けなきゃ
とりあえず、子供を慰めるなら、お菓子だな。お兄ちゃんはわたあめをくれたけど、私は何かあるかな
しかし、パーカーのポケットを探っても、これといったお菓子がない
唯一、お菓子と言えるのは、友達にもらった、キャラメルくらいかな
うーん・・・・お兄ちゃんのように、うまくできるかな。でも、やらなきゃ、お兄ちゃんのようにはなれない
ヒーローに、ヒロインに近づいてみせる!
何も考えず、私は男の子に声をかけた。目線が同じ高さになるようにしゃがみ、手を握る
「大丈夫、きっとお父さんとお母さんに会えるから。私も昔、大きなお兄さんに助けられたの、知らない遊園地で。その時お兄さんは言ったの「信じれば叶う」って。だから、お父さんとお母さんに会える
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