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101番目の舶ィ語
第十五話。『妖精の神隠し』(チェンジリング)の噂
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せるのが上手いんだ。キリカは。

______悪魔や魔女の方が優しい、というのは本当かもしれないな、やっぱり。

「あー、そういうもんって事で……。
それより、俺の方は、2度目の夢を見たよ」

「ああ、こないだ話してくれた夢だね。進展した? エッチとかした?」

「ははっ……しててもキリカには教えないな。
っていうか、キリカみたいな可愛い子がそんな事言っちゃいけないよ?」

「えー、可愛い子だからこそエッチな話が好きかもしれないじゃない」

流し目をしたキリカは俺の方に近寄ってきた。

(マズイ……)

ベッドもソファーもない屋外だから油断していた。
俺はキリカの正体が『魔女』という事を解っているからそっちの警戒はしていた。
が、こっち系(・・・)の警戒を、怠っていた。そこに隙ができた。
いや、全部計算ずくだったんだろう。このしたたかさ、まさに理子並みだ。

「あはっ、体は正直だねえ」

気づいた時には、俺の体は俺自身の意思とは別に(・・)、キリカに近づいていた。
まるで俺とは別の意思が身体を動かしているかのように自然と動いていた。

(クソ、油断していた……これは、アイツの……)

どうする? どうしたらいい?
いや、方法ならある。
こういう時には傷つけないよう______言葉で、なんとかしよう。
きっとできる。こういう時の『対処法』は、前世でも何度か使っていたしな。
とはいえ、ここまで踏み込まれると、五分五分の賭けだぞ。
キリカの誘惑に負けたら……その先は考えたくないな。

「キリカには誘惑されっぱなしだからね!理性が勝っているのが奇跡だよ」

「ストレートに言われると流石に照れるなぁ、ありがとうね、モンジ君」

「いいよ。そう思ったのは本当だからね!」

「あはっ、嬉しいなー。モンジ君になら何されてもいいよ?」

だがもう、この橋を渡るしかない。行くぞ……キリカ!

「ふ、なら質問させてくれ!
キリカは俺にどんな事をされたい(・・・・)んだ?」

「えっ……? そ、それは……いや……そんなの……言えないよ」

よし、思いっきり真っ赤になって動揺しながら顔を伏せて、言葉を詰まらせてくれた。

「何だい? 言ってごらん。キリカ? さあ……キリカ」

今、使ったこの技は以前アリアや菊代に使った事のある、『啄木(きつつき)』。
言いづらい言葉が回答になっている質問を用意し(即答されてしまえばアウトだが、一度答えられなければこっちの勝ちだ!)______敢えて繰り返し聞き、女性の羞恥心を煽りに煽る。そして答えさせない手法だ。
勝率を上げる為、昔、白雪や以前、詩穂先輩に使った『呼蕩(ことう)』も加えた。
ようは催眠術
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