グリニッジ支部
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は将官を一まとめにした便宜的呼び名であり実際には准将から大将までのいずれかの階級の人物を表す表現として使われる。
「わざわざこんなところまで足を運んでもらってすまないな。本来であれば、ちゃんとした応接室に通すのが筋なのだが、上が煩くてな」
「いえ、問題ありません。自分は気にしていませんから」
「ふん、そうか。ならばもはや何も言うまい。ついて来い、お前に見せたいものがある」
確かにミフユは大尉という地位にはついているものの、年齢が若い。神機使いの中にも、彼女と近い年齢で大尉の階級を持つものは数名いるが、神機使いと神機兵乗りでは扱いが異なっているのが現状だ。神機使いになる為の適合試験は十二歳から十八歳の間で行われ、加齢が進むほど成功率が下がっていく。この為神機使いは若い年齢のものが多く、実用化当初は軍からも「餓鬼」扱いされ、毛嫌いされていたことが背景にあり、今でも若い年齢のものに対しては階級が高かったとしても不遇の扱いを受ける事が多い。ミフユは特にそういった事には興味を抱かず、彼女が求めるのはあくまでもアラガミを殺す為の力であり、自身の待遇などどうでもよかった。
神前の後をついて行くと、大きなコンソールのような装置のある場所まで来た。その先には、例えるなら中世の騎士の鎧をモチーフにしたような形状をしたものがたたずんでいた。大きさ的には通常の神機兵よりもやや小さめだろうか、神機兵は一言でいうなら筋骨隆々としたフォルムに、丸いヘルメットのような頭部で顎の部分が太い。
それに対し目の前にあるものは筋骨隆々とはほど遠く、スッキリとした形状で、色は白と青を基調にしている。全体的に流線型の形をしていて、背中の部分には剣を束ねたようなモノがついている。美的センスが自分にあるかは分からないが、一目見て「綺麗だ」と感じたのがミフユの第一印象だった。
「神前少佐、これが……例の?」
その意図を読み取ったのだろうか、神前は満足げにうなずいて見せた。
「そうだ。これが新型の神機兵、コードネームは『ウィンデーネ』お前の新しい剣だ」
「これが……私の、新しい剣。私の力」
まるで吸い込まれるように、ミフユはその新型の神機兵を見つめていた。
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