グリニッジ支部
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ョックに一時は失語症に陥るもなんとか回復し、適合試験失敗の経緯や身辺の状況も考慮して、彼女はフェンリルへと入る事となった。
適合試験に失敗したとはいえ、奇跡的に一命を取り留めた彼女の処遇はフェンリル内部でも優遇に扱われる事となったが、ミフユは自分の無力さが悔しくてたまらなかった。もしもあの時、自分が適合試験に失敗せず神機使いになれていたら、両親をアラガミから救えたかもしれない。妹の捜索は既に打ち切られており、現在は死亡扱いになっている。それでも彼女は、妹はまだきっとどこかで生きているんじゃないかと信じていたかった。心のどこかでは、そんな事はありはしないと思っていたとしても、そう思わずにはいられなかったのだ。だからこそ彼女は、誰よりも力を欲した。
偏食因子の投与により、神機使いは身体能力が向上する。ミフユは神機使いには及ばなくとも、身体能力はそれなりに高かった。精密検査では適合が失敗しても一命を取り留めたのは、適合率は決して低くはなかったからではないかという結論だった。
しかし、例え他の人より身体能力が高くとも、神機を使えなければ神機使いにはなれない。アラガミと戦う術をもたず、ただ脅えるしかない現実がミフユは耐えがたかった。
そんなある日、極東支部で起きた事件を耳にする事になる。
神機使いに取って代わる存在として開発された神機技術の集合体である神機兵。フライアのクーデター、螺旋の木と呼ばれるものの発生、終末捕食。
どれもこれもが大きな出来事で、彼女の手の届かない場所で確実に世界は終焉へと歩みを進めていた。最終的には終末捕食という世界の終焉は回避され、瞬間的にこの世界が終わることはなくなった。
それでも、アラガミはまだこの世に存在している。
フライアのクーデター以降は神機兵の無人運用は無期限凍結となり、有人制御での開発が進められていく中、ミフユはパイロットへの志願をした。
神機使いでなくともアラガミと戦える力が手に入る。彼女の神機兵により期待は人一倍強いもので、パイロットとしての適正としても申し分はなかった。確かに神機兵は神機を使えない人間が乗ることが前提とされ開発されてはいるものの、搭乗者に付加が多い事から乗りこなす為には相当の訓練を積まなくてはならない。これは神機使いだとしても例外ではないが、やはり普通の人間より身体能力が高い分さほど苦労もないようだ。
ミフユは身体能力という点では神機使いには劣るが、普通の人間よりは高い。フェンリルとしても、彼女のパイロット志願は受け入れるに値するものだった。
神機兵の正規パイロットとしてミフユはその実力を遺憾無く発揮していき、フェンリルでの地位を確立していく。彼女の操縦する神機兵は、並みの神機使いよりも戦闘能力が高いという者さえ現れ、実際にその表現は過大評価で
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