暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0939話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 レオンの手から渡された書類が何だったのかは、ボーゼスの言葉で知る事が出来た。
 なるほど、捕虜の名簿か。確かにあれだけの人数を捕虜にした以上、管理するという意味でも名簿を作っておくというのは大事だし、その辺に関しては以前に報告も上がっていた。
 そして、この状況で捕虜の名簿を出したのが何を意味しているのかとなると、それは考えるまでもないだろう。

「えげつない真似をするな。いや、向こうがやった事を考えれば寧ろ穏当か?」

 隣で水餃子を食べていたムウも俺と同じ結論に至ったのだろう。小さく溜息を吐きながらそう呟く。

「これは……人質、という訳か? 帝国が条件を呑まなければ……」
「いえいえ、私達シャドウミラーは帝国とは違いますからね。そこまで非道な真似はしませんよ」
「ぐっ」

 何かを言いかけようとしたピニャだったが、これ以上自分達の立場が悪くなるのを警戒したのだろう。言葉を無理矢理飲み込む。

「私達がしたいのは、捕虜の引き渡しに関してとなります」
「身代金が目当て、という訳か」
「それは多少人聞きが悪いですが……まぁ、概ね間違ってはいません」

 なるほど。身代金として金やら資源やらを奪えば、それだけ帝国軍は軍事力を回復するのが遅れる事になる。そうなれば、こっちの狙いでもある従属国の台頭がより早められるだろう。
 あるいは税金を重くして俺達に支払う分の身代金を回収するという手もあるが、それをすると民衆が帝国に対して不満を持ち、寧ろ従属国の反抗心がより高まる結果となる。
 そうなると、帝国としてのベストの選択肢は捕虜に関してはこのまま見捨てるというものだろうが……それをすると、今度は臣下から不満が出る。何しろ……

「なっ! これは……姫様、こちらを。確かこの方はマルティス家の……他にも見た名前が幾つもあります」
「何!?」

 ボーゼスが都合良く知り合いの名前を見つけたのか、そう呟く。
 そう、こちらに捕まっている者の中には貴族出身の者も多い。
 何しろ帝国にしてみれば、門の先にある場所を我が物顔で占領して略奪するつもりであった以上、傭兵や一般の兵隊だけにその旨味を渡すわけにはいかない。貴族であるからこそ、自分達が最初に……そう思うのも無理はないだろう。
 まぁ、人数的に見ればやっぱり貴族よりも一般人の方が圧倒的に多いんだが、それでも捕虜の人数が数万人ともなれば、当然貴族の数もそれなりにいる。
 勿論帝国軍に所属する以上は跡取りの長男とかではなく、次男以降の子供だろう。だが、それでも血が繋がっている以上見捨てるという選択肢を取る者は多くない筈だ。
 俺の勝手なイメージだと、貴族というのは血縁に対して冷たいところもあるっぽいから、見捨てるという判断をする者もそれなりには出る、か? いや、それだ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ