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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-5 決意を灯す瞳
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リーファがそう思うのも頷ける。

サラマンダー領の首都、ガタンから真っ直ぐ北に飛べば、キリトたちのいる環状山脈にぶつかるし、そこから西に回ればルグルー回廊がある。東に行けば山脈の切れ目のひとつ、竜の谷がある。

どちらを通過するにせよ、その先にあるのは央都アルンと世界樹だ。


しかし、リーファの問いに男はぶんぶんと首を横に振った。

「まさか。さすがに前の全滅で懲りたらしくて、最低でも全軍に古代武器(エンシェントウェポン)級の装備が必要だってんでユルド貯めてるとこだぜ。

おかげでノルマがきつくてさ……

でもまだ目標の半分も貯まってないらしいよ」

「ふうん……」

「…………さっきの話、ホントだろうな?」

「取引で嘘はつかないよ」

キリトは戦利品をトレードすると、残したサラマンダーのプレイヤーはほとぼりを冷ますために帰っていった。


リーファはその後ろ姿を見つめた後、思い付いたようにキリトに質問した。

「あ、ねえ! さっきのってキリト君、だよね?」

「あれか〜……多分……」

「た、多分って……」

「さっきのはユイに魔法教わって試してみたら、なんか急におっきなって……」

「ぼりぼり齧ったりもしてましたよ〜」

「ああ、そう言えば。

モンスター気分が味わえてなかなか楽しい体験だったぜ」

「あのさ、その……味とかしたの?

サラマンダーの……」

「……ちょっと焦げかけの焼肉の風味と歯ごたえが……」

「わっ、やっぱいい、言わないで!」

キリトに向かってリーファがぶんぶんと手を振る。 と、キリトは何を思ったのか、不意に彼女の手を掴み

「がおう」

一声唸るとキリトは大きく口を開け、指先をぱくりと咥えた。

「キャァァァーーー!」

リーファの悲鳴と、それに続くゴンッ!という音が地底湖の水面を僅かに揺らした。

「うう、いててて……」

リーファに思い切り叩かれた頬っぺたをさすりながらキリトがとぼとぼと歩く。

「さっきのはパパが悪いです!」

「ホントホント。失礼しちゃうわ」

リーファとユイが口々に言うと、キリトは叱られた子供のような顔で抗弁した。


「殺伐とした戦闘のあとの空気を和ませようというウィットに満ちたジョークじゃないか……」

「次やったらぶった斬るからね」

リーファは瞼を閉じてツンと顔をそらし、歩調を速めた。















Story13-5 END
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