第二百二話 関東入りその八
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「そしてじゃ」
「そのうえで、ですか」
「さらに」
「残り十五万で相模や伊豆、武蔵といった国々の城を攻めよ」
北条家の他の城をというのだ。
「一つ一つな」
「北条の城を全て、ですか」
「その十五万の兵で」
「そうじゃ、そうしていくのじゃ」
小田原以外の北条の城全てをというのだ。
「わかったな」
「そして小田原だけにし」
「そのうえで、ですか」
「あの城を攻める」
「そうされますか」
「そこから先も見ておれ」
こう言って今も言わないのだった。
「後はおいおいわかる」
「左様ですか」
「それでは」
「御主達にそれぞれ兵を与える」
主な家臣達への言葉だ。
「城を攻め落として参れ」
「出来る限り血を流さずに、ですな」
「降ればそれで」
「うむ、降った者は迎え入れよ」
このことはこれまで通りだった、信長は北条の兵達も降れば織田の兵に組み入れることを最初から決めているのだ。
それでだ、このこともすぐに答えたのである。
「よいな」
「はい、では」
「その様に」
家臣達も応える、そしてだった。
織田家の者達はそれぞれ兵を率いて小田原以外の城に向かった、小田原に残ったのは信長が率いる五万の軍勢と徳川の一万だった。
その徳川の軍勢を率いる家康にだ、信長はこう言った。
「箱根まで言ってくれるか」
「箱根までの道を抑えてですな」
「そうじゃ、そしてじゃ」
信長は家康にも笑みで話す。
「駿河からの道を確保してくれ」
「さすれば」
「わしはこのまま小田原を囲みじゃ」
「そのうえで、ですな」
「小田原の中にいる北条の兵を抑えな」
それと共に、というのだ。
「ここで北条に面白いものを見せる」
「面白いものをですか」
「そうじゃ、見せる」
やはり笑っての言葉だった。
「そうはないものをだ」
「また面白いことをお考えですな」
「うむ、では箱根は頼んだぞ」
「さすれば」
「既に小田原以外の相模にある城にも伊豆にも兵を向けておる」
その送り出した十五万の兵の中にだ。
「道のことも安心して進め」
「そして箱根を確保し」
「駿河や三河からな、徳川の兵を送られる様にしてな」
「そして東海道からもですね」
「飯や武具を運ばせる」
つまり補給も確保するというのだ。
「そうするからな」
「それがしの役は重大ですな」
「御主なら充分なら出来る」
箱根を手に入れ東海道を使える様にすることもというのだ、信長はそう確信しているからこそ家康に今言うのだ。
「では頼んだぞ」
「さすれば」
家康も笑顔で応えてだった、そうしてだった。
自らの兵を率いて箱根に向かった、そしてそのうえで。
信長は残っている兵達に城を囲ませたうえであることを命じた、するとだっ
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