第四十二話 近付く真実その六
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「仙人になって」
「そう、そして仙人になる為に」
「仙術が研究されたのですね」
「そうだったんだ」
こちらは非常に長い歴史がある、始皇帝の話にある通り。
「あの国は様々な術が発展していたけれど」
「特に仙術が有名ですね」
「そうだよ、そしてあの国からね」
「西洋にですね」
「知識が入っていたりするから」
シルクロード、そして海からだ。人類の交流の歴史はそうした分野においても行われてきたのである。これは史実としてある。
「だからね」
「そこに仙術とかも入りますね」
「その全てはね」
科学も含めてのことだ。
「全く別じゃないんだ」
「同じもの」
「混ざるものですね」
「そしてそのうえで」
「何かを生み出せるんですね」
「そうかも知れないよ」
智和は少女達にこう答えた。
「若しかしたらだけれど」
「そうですか」
「じゃあ私達のことも」
「何かわかれば」
「それで」
「わかるかもね、そもそもね」
智和が今度指摘したことはというと。
「君達は全員孤児だね」
「?そのことかよ」
「うん、誰も本当の両親を知らない」
薊の目を見ての言葉だった、怪訝なものになった彼女のそれを。
「このこともね」
「ああ、ずっと気にしてなかったけれどな」
「おかしなことだね」
力を持つ少女が全員孤児であることもというのだ。
「外見も力も全く違うけれど」
「細かく検査するんですよね」
菊が自分達が皆本当の親がわからないことも指摘した智和に問うた。
「それじゃあDNAとかも」
「うん、それもね」
「調べるんですね」
「あれは色々なことがわかるから」
その出生等がだ、人類が手に入れた優れた科学技術の一つである。
「だからね」
「私達のそうしたこともですね」
「調べるべきだと考えているよ」
「そうですか」
「君達自身のことを知る為にね」
「あたしの本当の親な」
薊は考える顔になり述べた。
「そういえばな」
「考えたことは」
「あるよ」
薊は智和の問いに即答で返した。
「やっぱりさ」
「そうだね、親のことはね」
「誰だって考えるよな」
「考えない人はいないよ」
自分のルーツというだけでなくだ、その心の拠り所としてだ。
「あたしは院長先生の娘だけれどな」
「そうであってもだね」
「ああ、血を分けた肉親ってな」
それこそというのだ。
「やっぱり意識するよな」
「自然とね」
「だからあたしもな」
「皆そうよね」
鈴蘭もここで話に入って来た。
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