1部分:第一章
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ないよ」
「真面目に生きても何とでもなるだろ」
「どうだからね。とにかくあたしは何もしちゃいないよ」
見つかる様なことはだとだ。おみよは平然と言ってだ。
そのうえで三次の前から去り人ごみの中に消える。三次はそんなおみよを忌々しく見るだけだった。
おみよはすりを続けた。その腕は凄くすられた方は気付かない。しかもだ。
すったらその中にあるものを幾らか抜いて相手に戻す。だから証拠もなかった。おみよはまさにすりの天才だった。
それでこの日も小遣いを稼いでいた。しかしだ。
またすったその後でだ。不意に己の手を見てだ。その異変に気付いたのだった。
「?何だいこれは」
見れば手に黒い斑点をある。それを見てまずはこう思った。
「瘡毒かい?違うね」
吉原にある病だ。花魁や客がかかり鼻が落ちて死ぬ。
最初はそれかと思った。しかしだ。
すぐに違うと思った。色が違うからだ」
「瘡毒は赤かったね」
赤、若しくは紫だ。しかしそれは黒かった。それでだ。今度はこう思ったのである。
「黒子かい?けれど急にはできないよね」
だからだ。それも違うと思った。しかし何かはわからない。
考えてもわからないのでそれでだ。今はだった。
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