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ルドガーinD×D (改)
五十話:ただ一人君の為なら
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カナンの地へと足を踏み入れたルドガー達だったがそこで見た光景はお世辞にも普通と呼べる状態ではなかった。辺りを見回したエリーゼが黒い靄を見てあのモヤモヤは何なのかと呟きレイアがかなりやばそうだと続けると二人の疑問にミュゼが軽い口調で答える。


『ただの瘴気よ。長く触れ続けたら、私やミラでもやられちゃうけど』

『言い方軽っ!』

『超要注意でしょー!』


その言い方の軽さにレイアとティポがツッコミを入れる。だが、そこにガイアスが真面目に浄化が止まると溢れ出るのではなかったのかとミラに問いかける。それに対してミラとミュゼが瘴気は、魂が循環する時に排出される、魂を侵食する毒素であり本来はオリジンが抑え込んでいるはずなんだが、と呟くが現実として瘴気はこうして溢れ出ているのだ。その事にヴァーリはオリジンが限界に訪れて瘴気を抑え込めなくなっているのではないかと考える。


『やれやれ……そんな物の中を突き進むのか』

『だがビズリーは既に進んだ』

『恐らくはエルさんの力を利用して』


アルヴィンが嫌そうな声を出すのに対してガイアスは、冷静にビズリーは先に進んだ事実を告げる。そしてローエンのエルの力を利用したという言葉にルドガーは進む決心をして慎重に一歩踏み出そうとするが突如として足場が消失したように見えて足を止める。それに対してミラが四大精霊を呼び出して道を照らす。するとルドガーが先程進もうとしていた道は消え去りどこまでも続く穴へと変わってしまった。


『クロノスの罠か!』

『恐らく、奴が空間を捻じ曲げているのだろう』

『光が歪み、幻覚を作っているのですね』


クロノスが仕掛けた罠であることにガイアスがいち早く気づき、ミラもそれに同意する。さらにローエンがその仕組みを分析するが理屈が分かってもどうしようもない事態に一同は頭を悩ます。そんなクロノスの異常なまでの妨害に黒歌達はなにがそこまでクロノスを駆り立てるのかと不思議に思うが答えは出て来ない。

その間にルドガー達は四大精霊の力を使って自らの身を守って貰う事にするが、その場合は四人までしか行くことは出来ない。そこで、仲間達はルドガーに誰を連れて行くかの判断を任す。ルドガーは悩んだ末に、この中で最も強いガイアス、ミラ、そしてジュードと共に行くことを決める。因みにルルもイフリートのサービスでついて行けることになった。


『エル……待っていろ』


ルドガーは迷路のように入り組んだカナンの地を進み続ける。その道のりは非情に険しい物であったがルドガー達はエルの元に行くために必死に進み続けた。そして遂に最奥部へと通じる道を見つけ出し、覚悟を決めて審判の門へと進む。その先に居たのは凄まじい戦いを繰り広げているビズリーとクロノス、そして辛そ
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