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ルドガーinD×D (改)
五十話:ただ一人君の為なら
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その言葉にルドガー達と黒歌達は衝撃を覚える。ビズリーの願いが人間だけの世界なら、クロノスは精霊だけの世界を望んでいるのだ。ルドガーはそんなことはさせないとばかりに骸殻へと変身し、クロノスへと向かっていく。そしてクロノスの腕とルドガーがぶつかり合い、凄まじい光が辺りに放たれる。


『己がために、兄を踏み台にするとは実に人間らしい!』

『踏み台じゃない! 俺は兄さんの意志を受け継いで来たんだ!』

『どちらも同じこと』


ルドガー達はクロノスと戦い、追い詰めていくがあと少しというところで何度も時を巻き戻されてしまう。その事に焦っていたルドガーだったが、不意にユリウスの時計が気になって取り出して見ると時計の裏には『時を巻き戻す針はお前の槍で止めろ』と書かれていた。

ユリウスとしては自分が死んだ後にルドガーが自分の時計を使うだろうと踏んでクロノスの攻略法を記していたのであろうが、壊れてしまったためにルドガーはポケットにしまっていたのである。ともかく、ルドガーはその言葉にハッとしてクロノスが時間を巻き戻すタイミングで骸殻、つまりはクロノスの力を使ってクロノスの力を相殺していく。そして、初めてクロノスに致命的なダメージを与えることに成功する。


『ぐっ……認めぬ……これ以上オリジンを苦しませるなどっ!』


クロノスは傷ついた体を奮い立たせ、友を救い出すために時を巻き戻していく。その姿にリアスはクロノスもただ誰かを助けたいだけなのではないかと思い、本当に純粋な悪という存在は今戦っている者達の中にはいないと感じる。そんな時だった。


『見苦しいぞ、クロノス』


突如として結界の中からビズリーの声が聞こえて来たかと思うと結界を砕き、ビズリーがまるで燃えたぎる炎のような赤色の模様が入った無骨なフル骸殻姿で手に先が二股に割れた珍しい形の槍を持った状態で現れた。そしてその槍には―――


『「エルッ!!」』


エルが貫かれたような状態でぶら下がっていた。その事に叫び声を上げるルドガー達と黒歌達だったが、実際にはエルの鍵の力を具現化した物であり、エルを貫いてはいない。正し、その体は力を使いすぎたために時歪の因子化(タイムファクターか)によりどす黒く染まっているが。

ビズリーはクルスニクの鍵の力の籠った槍―――真のクルスニクの槍でクロノスを貫く。クロノスは突然の事に分けがわからず巻き戻し不可能な炎のように赤く染まる傷口を見つめる。


『ぐあああっ! がはっ!』

『無駄だ。これは時空を超えるオリジンの“無”の力だ』

『まさか……その娘が』

『そう、本物のクルスニクの鍵だ』


クロノスは槍によって磔にされてもなお、もがくが、オリジンの“無”の力の前では無力だった。そ
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