五十話:ただ一人君の為なら
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幼くなった姿で。その事でようやく黒歌達はどうやってルドガーがこの世界に来たのか、ルドガーの年齢が幼くなっているのかの謎を理解するのだった。そして、そこからの記憶は流れるように進んで行く。
――君、早く逃げるんだ!――
リアスの甥であるミリキャスに出会い、助ける。そして、そのことから魔王サーゼクスに気に入られ、駒王学園へと入学する。
――それもそうだな……俺は、ルドガー、ルドガー・ウィル・クルスニクだ――
最愛の女性となる黒歌と出会った日。
――私達、オカルト研究部はあなた達を歓迎するわ―――悪魔としてね――
オカルト研究部のメンバーに半ば強引ながらもなった日。
――会いたいんだろ? 兄貴に。―――“偽物”のマクスウェルに――
新たな審判を知らされ、過去と現在のどちらを取るかの選択を迫られた日。
――やっとだ…やっとわかった――
自分の生きる意味を見つけ、今を生きると選択したあの日。
――今ここに居る君じゃないとダメなんだ――
最愛の女性と想いが通じ合った日。
――黙れ! “本物”として生まれた貴様に、何が分かる!――
魂の循環に逆らい、己の幸せの為だけに全ての人間を犠牲にして新たな審判を望んだもう一人の自分と再会した日。
――約束より……大切なものがあるんだ――
最愛の女性を守る為に彼女から離れると決めた日。
――お前達が俺を連れ戻すというなら俺はそれを―――手足をもぎ取ってでも止める!――
そして、最愛の女性に刃を向けた現在へと時間は戻る。
「……俺の記憶を見たのか?」
記憶の中から戻って来た黒歌達を待っていたのは一人寂しげに佇むルドガーだった。先程とは打って変わり物静かなルドガーに黒歌達は黙って頷く。先程、という言い方ではおかしく感じるかもしれないがルドガーにとっては一瞬しか経っていないのだから先程の方が正しいだろう。
「そうか……それでお前達は―――どう選択する?」
審判を越えし者は彼等に問いかける。
―――残酷な過去と残酷な真実を見て彼等はどんな選択をするのかを―――
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