孤独と王様
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・・この世界は、俺の命で閉じる」
「えっ?」
俺が聞く暇もなく、敏晴は立ち上がった。そして、この城の頂上で、手を広げた
「いい景色だろ、天空遊園地。俺の理想だったんだ。こんな空の上に遊園地があったら、空音は、空が大好きだから喜ぶだろうって。もう、この遊園地はなくなる。みんな、元の場所へ帰る。死人となってた子供たちは、生き返る。元の時間に戻って、この世界のことを夢だと思って、忘れて、元の生活を送る。全てハッピーエンドじゃないか。俺一人が消えるだけで、高晴、お前たちの願いはすべて叶う。その願いを叶えることが、この世界を仕切る俺ができる最後のことだ」
待ってくれ・・・・それじゃあ、敏晴はどうなるんだ・・・・まさか敏晴は、本当に・・・・
「やめろ、敏晴!俺は望んでない!」
「悪いが、この世界では、俺の願いの方が上だ。俺の願いが通る」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
遊園地が揺れる、そして、崩れていく。そして子供たちは、光となって次々に消えていく
「この世界を作るには、大きな力が必要なんだ。俺は、もう、この世界を作った時点で、死んでるんだ
死んだ奴が消える。ただそれだけのことだ
もう、満足だ、分かり合えることができた、空音が俺のことを好きになってくれた、もう十分なんだよ
じゃあな、みんな
幸せに・・・・
俺は帰るよ、本当の死人が行く場所へ・・・・」
敏晴は、そう言って、ここから飛び降りた
そして
目の前が、真っ暗になった・・・・
最後の瞬間、俺は自分の言葉を思い返した
「大丈夫、お兄ちゃんは死なないよ」
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