第3話Bパート『夜宴』
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レッドフィールドと名乗った――による説明では、夜道を歩いているときに襲撃を受けたといい。
その場で数人を返り討ちにしたものの多勢に無勢、早々に逃亡を図ったとか。彼らの動きが鈍いのが幸い、街を逃げ回りながら敵を分断し先程のような手際で合計十数人は各個撃破してきたのだそうだ。
「立ち話とは余裕ではないか、優勝候補」
襲撃者の集団が割れ、銀髪の若い男が歩み出て大佐にそう言った。西洋貴族のような服装に黒い外套で。執事らしき小男を従えていた。
「私のような老人ひとりに、少々大袈裟ではないかね?化け物」
どうやら、この銀髪の男が吸血鬼であるらしく。
「このヴェロッキア・アウクトスの、獲物となれ。大佐」
吸血鬼――ヴェロッキア――が、そう言った。
「勝負ですかニャ?」
ヴェロッキアも大佐も互いに戦る気を滲ませていたから。大家さんがジャッジとして、彼らに訊いた。
しかし。
「…他人の庭で、好き勝手は。やめて貰おう」
彼らの睨み合いなど、気にした様子も無く、ヒデオが言い放った。
…神の手を、邪魔する輩どもめっ。
その手には、なぜか十手が握られており。それを見て美奈子が「岡丸っ!?」と驚く。
「ほう?貴様、川村ヒデオとかいったか。知っているぞ、ロボットのパイロット。大佐共々、我の糧となれ」
事前に参加者の情報を確認していたのか、ヒデオの名前を知っていた。
「いい加減走り回るのも億劫になってきた。共闘、と行こうではないか」
ヒデオを戦力としてあてになると判断したのか、大佐がそう言ったが。
「不要」
「何?」
一言で断ると、ヒデオは前に踏み出した。…ふらふらと、千鳥足で。
「完全に、お酒が足に来てますニャ」
「あれだけ呑んでりゃ、そうよね」
女性陣は生暖かい目で。
「ちょっと待て。酔っているだと?そんな状態で、我に従う200の軍団に敵うとでも」
そう言ってヴェロッキアは、背後を、そして周囲を囲んだ意のままに操られる参加者たちを振り仰いだ。
と、
「若っ!!」
執事の危険を知らせる声。
ゴスッとヴェロッキアは後頭部に強い衝撃を受ける。
「なっ…」
ヒデオが持つ十手で殴られたのだと分かった。だが、何故だ。彼我の距離は7〜8メートルはあり、一瞬で詰められるはずがない。
眩む視界のはしに、十手を振り切ったヒデオの姿が映る。その崩れた体勢からさらに、ありえない軌道で十手が迫ってくる。
どうにかその追撃は避けたが十手の先が頬をかすめ、浅く皮膚が切り裂かれる。慌ててさらに距離を取った。
即座に再生されるはずの傷がなぜか消えない。銀の武器であるというならともかく。見る限
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