第3話Bパート『夜宴』
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知られることになるだろうし。」
それだけで済んだ。聖魔杯については、特に訊かれず。まあどうでもよさそうだ。
それより、揚げたてのコロッケをパクつき、2本目のビールを空ける方に集中したいのだろう。
そういえば、場の勢いで口をつけたが、実は酒を飲んだのは、これが初めてだった。高卒で就職に失敗した自分にはそんな機会が無く、まあ、成人したのもごく最近で。
どれくらい飲んでも大丈夫なのか。よく分からない。
女性陣は皆、飲み慣れているようで、結構なハイペースでビールを消費していく。そして、そろそろだろうと誰とも無く言い出し、数量限定だとかいう日本酒の栓が抜かれる。
ヒデオのグラスにもそれが、なみなみと注がれる。ビールも半分以上残っているのだが。
「ほらほら、ヒデオ君もーっ」
日本酒は、ビールよりも。アルコール度数が高かったはずだが。
「そうですよ、マスターっ。ここはウィル子の分までぐぐぐーっと!!」
通常の飲み食いはできないらしいウィル子にまで煽られる。
もしも、ここで断れば。場は一気に白けるのではないだろうか。ノリの悪い奴。と。逆に、こういう場でノリ良く合わせられれば。こんな自分でも少しは変われるのだろうか?
ならば。
「「「おーっ」」」
ぐいっとグラスの中身を一息に飲み干す。なぜか、全員に拍手されて。
「さすがマスターっ。景気がいいのですよー」
「いいぞっ!!ヒデオくん、男前ーっ」
こんな風に女子の喝采を受けた経験など初めてで。
そうか。僕はここにいてもいいんだ――
◇ ◇ 2 ◇ ◇
よくみると。ひとつのグラスに十手が挿してあった。何かの儀式だろうかと。
疑問に思って眺めていると、何故かグラスの中の液体が減っていく。そして、空になり。ズズズ、と中身が空の状態でストローで吸ったような音がして。
ヒデオは一升瓶の中身を注ぎ足してみた。
「やや、これはかたじけない」
聞き覚えの無い、この場にはヒデオ以外にいないはずの男性の、声。
「叶うなら、ご返盃したものを」
畏まったように、そういう声はやはり十手から聞こえ。
別段、他人、というか十手に注いで貰いたいわけでもなく。手酌でグラスに一升瓶を傾ける。
女性陣に食い荒らされた残りの刺身を片付けていく。鯛の身の甘みが口内に残っているうちにグラスから一口。甘やかな香りと、真逆の辛味がそれを洗い流し、次の刺身に箸を伸ばさせる。
女性陣の会話に参加していたウィル子が、ふと気付いたように。
「それにしても、マスター。意外に強いんですねー。これだけ飲んで顔色も変わらないなんて」
「…。何が」
「何がって、お酒がですが…」
酒。が、どうかしたのだろうか。おかしなことを言う、ウ
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