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転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0938話
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「ピニャ様……」

 何だか演劇でも見ているような気分になってきたな。
 いや、2人が本気で言っているのは分かるんだが。
 そんな風に考えていると、こちらもちょうどタイミング良くエアカーを運転したムウが登場する。

「さ、行こうか。まずは少し落ち着く必要もあるし、食事だな」

 食事? また悠長な……ふとそう思いかけたが、そんな俺の方を見てムウがニヤリとした笑みを浮かべる。
 さっき言っていた歓迎の宴の事を言ってるんだろう。そう判断して、未だに呆然としているピニャとボーゼスを半ば強引にエアカーに乗せ、ムウの運転に任せる。
 そのままエアカーで暫く移動すると、やがて到着したのは門が現れた為に新しく交流区画とされた場所だった。
 ただし、店ではなく多目的ホールというか、会議室のような場所。
 本来であれば、交流区画で世界間同士の取引をする時の商談とかに使われている場所だ。
 だが、今は多目的ホールの周辺に数名の量産型Wが待機しているのが見える。
 なるほど。確かに帝国から使者が……それも皇女が来るとなれば、門出現の時のゴタゴタで知り合いを亡くしてしまった者が何らかの行動に出る可能性は少なくない、か。
 その辺の情報が漏れているのかどうかは分からないが、念の為の警備なのだろう。

「ほい、ついたぜ。さ、中に入ってくれ。俺も腹が減ってきた」
「って、お前も食うのかよ」

 てっきり案内のみかと思ったら、ムウもまた食事を一緒にするらしいと聞き、思わず突っ込む。
 だが、ムウ本人は何か問題があるのか? とばかりにこっちに視線を向けてくる。
 いやまぁ、公式な会談じゃないし、ムウにしても歴としたシャドウミラーの幹部であり、実働班の中では上位に入る腕の持ち主だ。それを思えば護衛的な感じで一緒に行動するのもそれ程不思議じゃない、か。
 俺に護衛は必要ないだろうが、ピニャやボーゼスには話が別だろうし。

「ま、いいか。ほら行くぞ」
「う、うむ」
「え、あ、はい」

 エアカーでホワイトスター内を移動している間も、ただひたすらに周囲の光景に衝撃を受けていた2人を促し、建物の中へと入っていく。
 すると、中に入った途端漂ってくるいい匂い。
 確かにいい匂いだが……何か覚えがあるような?
 何となくそんな風に思いつつ、ムウが案内したのは10畳程度の広さの、それ程広くはない部屋。
 そして部屋の中に入った瞬間、俺は嗅ぎ覚えのある匂いが何だったのかを理解する。
 テーブルの上に広がっているのは、肉まんを始めとした各種中華まん。小篭包、餃子、焼売といった点心を中心とした中華料理の数々。
 そして、シェフである四葉の姿。
 俺を見て、無言でペコリと頭を下げると部屋を出て行く。
 料理を並べる為に来ていたのだろう。
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