第7話
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「出来た」
「早いな………??」
しっかりヤスリがけまで終えたアズサが、得意げにガンプラを差し出してくる。
それを受け取り、不敵な笑みを浮かべて頷き返す。
「ありがとう。俺には十分過ぎる機体だ。………というか、よくこんな機体を引っ張り出してきたな………」
「わたしとしては部室にあったことの方が意外」
「ヒサメくん。準備出来た?」
振り返ると、武装をゴテゴテと取り付けたザクを抱えたシグレ部長がいた。
「それ………サイコザクですか?」
「よくわかったね。結構荒っぽい作りなんだけど」
サイコ・ザク。正式名称『リュース・P・デバイス装備高機動型ザク』。『機動戦士ガンダムサンダーボルト』に登場するライバル機だ。フルアーマーガンダムと渡り合う性能を擁し、一機で連邦軍艦隊を壊滅させるほどの火力を備えている。
部長の持っているそれは、さらにミサイルなどの実弾武装を追加しているようだ。
「バズーカを二丁、ザクマシンガンも二丁増設してヅサのミサイルを取り付けてみたの。瞬間火力は凄まじいわよ?」
(最近の人はみんなゴテゴテと物を付け加えたがるな………)
「え?」
「いや、なんでもありません」
小声で呟いたつもりだったが何か呟いたのか聞こえてしまったらしい。頭を振って誤魔化し、ダイスケの方に向き直る。
「うーん。こいつにするかなぁ………」
「決まったのか? ………ってヅダを使うのか」
ダイスケが手にしたのは『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場するMS、ヅダ。
ザクを遥かに凌駕する推進力と機動力を誇っていたが、採用試験においてエンジン系のトラブルで事故を起こしてしまい不採用となった不遇のMSだ。
『IGLOO』では4機ほど生産、配備され連邦軍のジム部隊を撃破する大活躍を見せたのだがーーー
「事故るなよ………?」
「大丈夫だって。そうそうオーバーヒートする事なんてないだろ」
某アーケードゲームでは自爆が必殺技になる程のフラグ機体なので心配だ。
「二人とも、そろそろ時間だからーーー行きましょう」
シグレ先輩が一旦追加武装を外したサイコザクを専用のケースにしまい、扉を開ける。いきなり部の命運がかかった戦いだが、いつも通りの傭兵稼業だと考えれば問題ないはずだ。
「とほほ。まさか部の命運がかかってるとはなぁ………泣ける」
「まあ、デタラメに撃ってればいつか当たるさ」
緊張気味のダイスケに苦笑しながらアズサが作り上げた機体を掴む。
「アズサ、この機体はありがたく使わせてもらう」
「うん。頑張れ」
「私たちも見に行きますね!」
わくわくした表情を浮かべたアリサも応援に来てくれるらしい。依頼のた
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