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少年は魔人になるようです
第99話 少年は英雄《馬鹿》に近づくようです
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「あぁあぁ………私に似た賢い子だと思ったのに。」


何処から手に入れたのか、試合結果の載った号外を見ながらエルザは悲しみに暮れる。

新聞には大きく『W優勝!?』の文字と、ネギとラカン、小太郎とカゲタロウがそれぞれ

並び一様にボコボコの顔で、笑顔で倒れている写真が掲載されている。

確かに、それはどう見ても大馬鹿の集まりだ。


「おいおいそんな言い方ねぇだろ。意地があんだよ、男の子にはなぁ!

って言うかサラッと自分を賢いとか言うんじゃねぇよ。」

「あら、言葉尻を捉えられるなんて。この十年で賢くなったわね、傍迷惑な話。」


『目を離しすぎたんじゃ・・・』と頭を抱えていると、いつもの軽い調子で・・・しかし、

少し大人びたナギが現れた。鳥頭な元気さはずっと以前に為りを潜めた為に欠片も見られない。

号外を除いたその瞳には悲しみと憂いと、僅かな希望だけが覗く。


「ノワールさん・アリアちゃんと戦った後、ジャックと引き分けか。試合見たか?

あんだけ消耗して動けるたぁ、ネギも立派に化け物だなぁ!あっははははは!」

「自分のした事を棚に上げて……。まぁそれを見ても、だけれどね。」


自分達の息子の成長を喜んでいる様な、愚か者を貶している様な。

顔を見合わせ苦笑し、手を取り・・・また、闇に溶けて行った。

Side out
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