第99話 少年は英雄《馬鹿》に近づくようです
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真理の連奏《ヲレィト・ベッロ・リューディ・ファクティレーム》』!『固定』!!"」
ギュオッ!
「…………。」
・・・僕が『固定』までしているのに、何故か一緒にポカーンと固定されたラカンさん。
余裕なのか、はたまた別の何かなのか。だけど僕にも、小太郎君にも余裕はない。
そんなものは初めからない。だから、全力で行かせて貰うだけです!
「『掌握』!!」
ガキュンッ!
そう、これが最後だ。残りの魔力どころか、他の人から借りてまで使って、更に肉体の限界を
無視して魔法を取り込む。強い中級魔法程度なのに、浸食が『千の雷』と同じかそれ以上だ。
時間が経てば安定はするものの、今の戦いで浸食が進み過ぎた。
「ぁぁぁああああああああああああああああああ!!!」
ドウッ!!
「く、く、く………くっはははははははははははははははははははははははは!!!」
ドンッ!!
『な、殴り合い!先程のヒットアンドアウェイと一撃狙いと打って変わって!
拳と拳をぶつけあうぅうううううう!衝撃波で地面がどんどん陥没して行くぅ!!』
嗤ったラカンさんと拳を打ち合わせる。先程の一撃で力を使い果たしたのか、攻撃が凄く軽い。
いや、強化した僕よりも少し強いんだけれど、そのくらいだ。
10回、20回・・・数えられない程、何度も何度も打ち据えて行く。その度、少しずつだけど
身体の端々から黒い煙が立ち昇る。
「………が、あぁ…ッ!」
ガヅッ!
「ぐ、ぬぅ、ぁああ!!」
ゴリッ!
まだだ!まだ無駄がある!エヴァンジェリンさんが言っていたじゃないか、『闇』が漏れるのは
制御し切れていないからだって。限界だからって・・・だからこそ、この力を制御しなきゃ
いけない。『闇』は魔力と違い、抑えるんじゃない。取り込み、纏わせるモノだ。
少しずつ集まるにつれ、ラカンさんの力と同等になった。
「ふ、ふふふ……。」
ガッ! ゴッ!
「く、くくく……。」
『お、おぉっと?こ、これは両者……?』
「「ふっはははははは!アハハハハハハハハ!」」
ドッガッ! ボグッベキッドカッ!
『笑っている!?笑いながら殴り合っているーー!これは怖い!良く分からないが怖い!!』
『いやいや、これはこれで熱い!観客も大喜びだ!』
何故か楽しくて仕方なく・・・おかしくなったかのように笑いながら殴り合う。
互いに攻撃に威力なんてなく、まるで子供の喧嘩みたいだ。
聞こえていたボコッ、ボコッ、と情けない音と、観客の声が徐々に遠ざかり―――
Side out
―――数時間後
Side ―――
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