第2話
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声は男の声によって遮られた。男たちの目に浮かんでいたのは、憎悪。それが、こんな状況を作り出した茅場晶彦に対してのものなのか、それともこの世界そのものへ向けてのものなのかはわからない。
だが、これだけは言える。
男たちの目には、過去も現在も未来も、何も映し出されてはいなかった。
怖かった。
男たちの目から早く逃れたかった。
視界に表示されているOKボタンを押せば、男たちは一瞬にして黒鉄宮の監獄エリアへ転送されるだろう。だが俺は、男たちから逃れることしか考えていなかった。
俺は男の手を振り払い、駆け出した。彼らが俺を追ってきたかどうかはわからなかったが、決して後ろ振り返らず走り続けた。
どれくらい走っただろう。
ヘトヘトになった俺は、今度こそへたりこんだ。
体の震えが止まらない。男たちはどこにも見えなかったが、彼らの目の恐怖から解放されることはなかった。
自分から逃げ出したくせに、こんな時にだけ助けを求めるのは間違っている。だけど、今の俺はそうするしかなかった。
「助けて……。キリト……」
俺は、今何をしているかわからない、もしかしたら自分のことを探しているかもしれない親友の名前を呟いた。
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