第2話
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スタート地点であり、俺と親友との待ち合わせ場所でもあった、はじまりの街の中央広場だった。
そして、ここにいるのは俺だけではない。周りを見回すと色とりどりの装備、髪の色、整った顔立ち、そんな人が沢山いて、みんな訳がわからないといった顔をしている。きっとここにいるのは1万人の全SAOプレイヤーなのだろう。
「何なんだよ……。一体」
俺はそう呟いた。
ざわざわという声が徐々に苛立ちの色合いを増し、喚き出す者も少なくはなかった。
やがて誰かが、
「あ……上を見ろ!!」
と叫んだ。
俺を含めた沢山のプレイヤーが、反射的に視線をその方向に向ける。するとそこには、
【Warning】
【System Announcement】
と、表示された真紅の市松模様が広がっていた。
「何だ……?アナウンス?不具合か何かか……?」
俺がそう呟いた瞬間、空を埋め尽くす真紅のパターンの中央部分が、どろりと垂れ下がった。
それはまるで巨大な雫のように落下した、と思いきや、徐々に形を変えていき、出現したのは、身長20メートルもありそうな、真紅のフード付きのローブを纏った人の姿だった。いや、少し違うな。人の姿なら当然そこにあるべき物??????顔がなかった。
「あれ、GM?」
「なんでで顔ないの?」
そういった声が周りの人たちから聞き取れる。
やがて、巨大ローブの右袖、左袖が順に掲げられた。そして、
『プレイヤー諸君、私の世界へようこそ』
低く落ち着いた、よく通る男の声。だが問題は、その声の内容だ。
《私の世界》……男はそう言った。どういう意味だろう。いや、そもそも意味なんて存在するのか?彼が運営のゲームマスターなら、確かに「私の世界」というのは間違っていない。これは何かのイベント、もしくは演出なのか?
俺が思考していると、男の声が再び響いた。
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。』
……茅場晶彦?それって確かナーヴギアの基礎設計者であり、ソードアート・オンラインを作った本人だったよな。その彼が一体何を考えているんだ。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』
え……?ログアウトボタンが消えてるって……?
どうやら気付いていなかったのは俺だけようだ。俺は慌ててメインメニューを確認する。確かに。そこにあるはずのログアウトというボタンだけがごっそりと消えて
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