暁 〜小説投稿サイト〜
天空遊園地
お姉さんと空音
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とも、もう喧嘩しないように頑張る。空音ともっと一緒にいれるように、頑張る」
俺はぎゅっと空音を抱きしめた
「空音、一緒に帰ろう・・・・」
「お・・・にい・・・・ちゃん・・・・」
かすかだが、空音の声がした。見ると、死んだような目から、涙が溢れている
俺は空音の手を握り、強く願った
夢の国ではなんでもできる、夢の国ではなんでも叶う。ならば、夢の国よ、叶えてくれ、俺の願いを
空音を、元に戻すという願いを!
その時、空音が、眩しい光に包まれた。俺は、思わず目を閉じた
光が収まり、俺がゆっくりと目を開くと、そこには泣きじゃくる空音がいた
「お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・・怖かった、怖かったよ・・・・」
死んだ目をしていても、同じ言動を繰り返していても、その奥深くに、意識はある
特に空音には、それがあった。だから、自分の思い通りに体が動かないことが、怖かったんだろう、辛かったんだろう
その時、俺はポケットに入れていた綿菓子を思い出した。俺は綿菓子を出し、空音の手の上に乗せた
「俺、昔、大きなお姉さんに助けられたんだ、こんな感じの、知らない遊園地で。その時お姉さんは言ったんだ「信じれば叶う」って。そして、キャラメルをくれたんだよ。その恩は、本来、その人に返すものだけど、他人に返すことも、また恩返しだ。だから空音、この恩を空音に返そう。さぁ、雲のような綿菓子だよ。食べたら元気が出るよ」
空音はそれをゆっくりと食べた。口に運んだとたん、空音の顔は、明るい笑顔へと変わった
「ありがとう、お兄ちゃん」
これで、ひとまずは区切りがついた。俺も思わず笑顔になった。
さぁ、最後だ。敏晴と、決着を付けよう
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