暁 〜小説投稿サイト〜
天上の大空を目指して
2.仮想世界へ
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い出してそんなことを呟いていた。
  そうして一人でフィールドにを()けること数分。俺は最初の低レベルモンスターを見つけた。見たところ青イノシシみたいだ。リアルでおっかない人にたくさん会ってきたせいか、それなりに(おそ)ろしい容姿(ようし)のモンスターを見ても特に何とも思わなかった。これは喜んでいいのかどうか、と俺は内心で苦笑しながら敵に近づく。すると相手もこっちに気づいたのか頭を向けてきた。
 突進(とっしん)してきたイノシシを咄嗟(とっさ)に剣でガードする。そのまま向きをそらして流す。一定の距離をとり(かま)え直す。最初に使えるらしいソードスキルの構えに剣を持っていく、がなかなかモーションが検出(けんしゅつ)されない。その間にまた突進してきた。落ち着いていればそんなに速くはなかったから、余裕をもって避ける。今度は通常攻撃で斬りつける。イノシシのHPゲージが一割程減る。()けて()るを数回()り返すと、相手の残りHPが三割程になった。さすがにソードスキルが使えないとこれから困るので、もう一度試してみる。今度はうまくいった。剣が青い光を放つ。そして体が自動的に動いて攻撃する。
「おおぉーっす、すごいっ」
 敵がポリゴンの欠片となって四散(しさん)する。その感覚がクセになるというかなんというか。とにかくソードスキルを使った時の快感にハマってしまった。でも、ちゃんと使えるようにならないといけない。
 今まで剣を使ったことがないからかまだ慣れない。まずは、通常攻撃でも勝てるくらいになること。それから、ソードスキルの特訓(とっくん)だ。すぐに発動できるようにならないといけない。と、今後の予定を立てて、新しく湧き出てきた敵の動きに集中した。

 
 この時にでも、一度戻っていれば、何か変わっていたかもしれない―――
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