SAO編
少女乱入
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じくらいで、銀髪の男の子なんだけど。見かけたりとかしてない?」
俺は思考を彷徨わせる。銀髪、それだけで絞り込めそうなものだが、生憎と一人としてそのような人物は見ていない。
それを伝えると少女はさみしそうに睫毛を伏せる。
その動作にも、不謹慎ながらどきりとしてしまう自分がいたが首を振り雑念を払い落とす。
「リアルの友人、というわけか。待ち合わせでもしてたのか」
少女は首を横に振る。つまりは否定だ。
「ううん、知り合いからこのゲームをやるって聞いたから探しに来たの」
探しに来た。まるで帰れなくなることがわかっていたようだが、そんなわけないよなと考えを否定する。
「俺はここで宿を取るけど君はどうするんだ?」
少女は暫く黙考した後、答えた。
「私もここで泊まろうかな。その宿ってどこにあるの」
小首を傾げる仕草に、やはり普通の女の子なのだと実感させられる。どんなに強くても人間なのだ。
俺は家に入りクエストを終わらせアニールブレードを受け取ると宿へと歩き出した。
「こっちだよ」
そうして俺たちは宿へと入って言った
「ねぇ」
扉を開けたところで少女が声をかけてきた。
「さっき君が剣を光らせて攻撃してたけど、あれってなんなの?」
「は?」
思いもよらぬ質問に俺はそれしか言えなかった。自然と、ここまで来たのだからβテスターなのだと思い込んでいた。しかし、思い返せばこの少女はソードスキルを使ってはいなかった。
まさか……
「ひょっとして君はこのゲーム初心者なのか?」
恐る恐る尋ねると少女は笑顔で。
「うん、そうだよ。そういえばまだ名乗ってなかったね、レイだよ。よろしくね。えっと……」
「き、キリトだ。よろしくな」
こうして、キリトのSAO徹夜講習会が幕を切ったのだった。
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