暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と青白の童子〜
SAO編
少女乱入
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



今、俺ことキリトはとてもまずい状況にいる。
正確に言えば置かされている。

「ぎしゃああぁぁぁぁぁ」

植物に酷似したリトルネペントというモンスターに囲まれてしまっている。
問題らそれだけではない。

ちらりと俺の後ろにいるの剣と円盾を装備したプレイヤーを見やる。
《コペル》という名前の、歳は同じくらいの少年だ。
諸事情によりコペルと《森の秘薬》
というクエストを協力してクリアしようということになった。
そこまではよかったのだが、途中で彼からモンスターのなすり付け ──MPKを受けてしまったのがこの状態だ。


 リトルネペントには特定の部位を攻撃すると仲間をポップさせるという特殊能力がある。コペルはそれを逆手に取った。
 ハイディングスキルというものがあり、名前の通り自らの姿を視認することを妨げるものでコペルはリトルネペントにわざと仲間をポップさせ、スキルを使い逃げようとした。
 だが、コペルは致命的なミスを犯した。
 そもそもハイディングスキルはこのデスゲームに限って言えば対人のようなもので特定のモンスターには効かないことが多々ある。今回、その例外に含まれるモンスターだった。植物をモデルにしているためか視力がない代わりか、嗅覚で獲物を察知する設定だった。
 つまり、逃げられると思っていたコペルは足止めをくらい、俺と同じくこの状況を打破しようと彼も奮闘している。


「うおぉぉ!」


 ネペントどもの軋めきに負けじと雄叫びをあげながら、握っている片手剣に剣技の光を纏わせる。
《剣技》ソードスキルという、この世界では必要不可欠の技。システムという見えざる力に押され高速で横一文字に腹を薙ぐ。
 HPがなくなったネペントは少しふくらみ、ポリゴン状に破裂した。

 ふと視線を左上に向ける。

 そこには俺の命が散るまでを示す忌々しいメーターがある。それは半分くらいで黄色くなっていた。
 つまり、俺はもう半分消されればリアルの死を突きつけられる。
 無慈悲にもネペントは群がり続ける。
 もう一度、元凶だが今では運命共同体のコペルを見る。
 彼の頭上に現れたメーターは僅かしかなく、赤くなっていた。

 ──ここまで、なのか──

 頭によぎった諦めの言葉を振り払うと同時に迫りくるネペントを斬り払う。
 それでも、奥に見えるのは希望の光なんかではなく、億劫なほどのネペント。
 まさに四面楚歌。絶体絶命とはこのことだ。
 かぶりついてくるネペントをバックステップで避け、カウンターに斬り払いを食らわす。
 突如、背後に強烈な衝撃を受ける。
 いきなりのことで踏ん張れず、地面にひれ伏す。
 首だけ動かして後ろを見ると
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ