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小さな信頼
1部分:第一章
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も雰囲気も暗い。そうしたものを見てだ。彼は問うのだった。
「やっぱりあれかな。負けてるからかな」
「わかるか」
「何か敵にとんでもなく強いのがいるって聞いてるけれど」
「ゴリアテだよ」
 兄は忌々しげに言った。
「あいつがいるんだよ」
「ゴリアテって?」
「名前は聞いてないか」
「敵に強い奴がいるってのは聞いてたけれど」
「それがそのゴリアテなんだよ」
 兄はこうダビデに話す。
「大きくて力も強くてな。誰が相手でも勝てるものじゃない」
「ふうん、そこまで強いんだ」
「滅茶苦茶強いんだよ」
 こう返す兄だった。

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