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英雄は誰がために立つ
Life12 聖書の子らの新たなる道 −締結、駒王協定−
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士郎に言葉を完全に被せられる。

 「そう言う意味じゃねぇよ!」
 「無論、解っていますよ。要は、言いたくないんです・・・・・・・・・が、全てでは無いですがお答えしましょう」

 アザゼルの受け答えに皮肉る士郎。
 その反応に頭を掻いて困る仕草を見せるアザゼルは、サーゼクスとミカエルを見やってから質問する。

 「お前さんの魔術・・・ありゃあ何だ?」
 「投影魔術ですよ」
 「投影?・・・・・・・・・アレが投影魔術だと!?出鱈目抜かすんじゃねぇぞ!」

 調印のために用意されたテーブルを容赦なくたたくアザゼル。それ故に、テーブルの足に罅が入る。
 そして、知識としてそれなりに知っている他の主要人も眼を剥くが、リアス達は相変わらず頭上にクエスチョンマークを浮かべるだけだった。
 そんな彼女たちを見かねたグレイフィアが、再び説明役をする。

 「投影魔術。グラデーション・エアとも言う人間側オリジナルの魔術です。概要としましては、術者の創造理念(イメージ)を魔力によってオリジナルの鏡像――――つまり複製を一から十まで全て賄い、物資化させて再現させる特殊で上位の魔術です」
 「その様な高位の魔術を士郎君が使えるなんて・・・」
 「す、すごいわね・・・!」

 眷族たちの主であるリアスとソーナを始めとする半分以上の眷族たちは、主と同じくして驚嘆と称賛を感じていた。一誠や元士郎などはちんぷんかんぷんと言った感じだったが。
 因みに何故かゼノヴィアは、自分の事のように誇らしげだった。

 「話はまだ終わっていません。先ほども説明させて頂いた様に、この魔術は基本的に術者の創造理念(イメージ)左右されますが、人のイメージなぞ所詮は穴だらけです。お嬢様、自身の携帯機器を完璧にイメージできますか?」
 「それ位なら出来るわよ」
 「それでしたら中身は?一つ一つの部品から、構成材質まで全て」
 「う゛、無理だわ」

 グレイフィアの問いに素直に答えるリアス。

 「つまりこの魔術は再現出来たとしても、世界からの修正力と魔力の気化により以て数分が限度ですし、強度も脆弱で普通のナイフやカッターなどを再現させても紙のような極薄のモノであればなんとか切れますが、肉や厚紙では切る事も出来ずに壊れて霧散するのが関の山でしょう」
 「けれど士郎にはそんな常識が当てはまらないって事?」
 「はい、藤村士郎殿には大変失礼かもしれませんが、正直信じられない気持ちです」

 説明を終えたグレイフィアは、士郎を訝しげな眼で見る。

 「冗談と思いたいのでしたらそれで構いませんよ?正直、手の内を明かしてメリットなど有りませんので」

 アザゼルやグレイフィアなどの視線にも臆さずに、淡々と答える士郎。

 「っ!」
 「・・
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