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英雄は誰がために立つ
Life12 聖書の子らの新たなる道 −締結、駒王協定−
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 「・・・・・・・・・・・・・・・ハァ」

 アザゼルと士郎メインの会話になっていたにも拘らず、先程とは打って変わっていい表情をしているサーゼクスが、語尾を強調しながら説明しだす。まるで水を得た魚の様に。やや、黒いくなって。
 そんなサーゼクスに制止するのはグレイフィアだった。

 「サーゼクス様、此処は従者たる私にお任せ下さい」
 「あ、ああ、それじゃあ任せるよ」

 グレイフィアの姿に何故か気圧されるサーゼクス。

 「それではサーゼクス様に代わり、説明させていただきます。――――ザウス・デミトレ氏。魔術協会の君主(ロード)の称号を与えられた4人の中の1人です。ですが『異形嫌い』と渾名される程、我々人外の存在を露骨なまでに毛嫌いしている方です。そう言った理由もあり、魔術協会の理事長とも犬猿の仲としての周知の事実としてあります。そして今回聴取した理由は、渾名からの思想ゆえの事でした」
 「な、なるほど!」

 グレイフィアの説明に椿姫が相槌を打つ。

 「で、さっきも言ったが、結果は白だったわけさ。その上、先生の報告を経由して俺達に皮肉ってきやがった様なんだよ。『私でしたら、あんな穴だらけで不確定要素満載な稚拙な計画は立てませんよ?やるのでしたら完膚なきまでに徹底的にします!』だとさ」
 「噂通りですね」

 呆れ顔で説明するアザゼルに、嘆息するように感想を呟くミカエル。

 「しかも、その場にはメフィストの奴も同席していてな。先生がいなかったら何時もの様に、おっぱじめる処だったらしい」

 アザゼルの言葉に、首脳陣はヤレヤレと言った感じだ。
 そこでリアスが手を上げる。

 「この様な事を言っては何ですが、厳罰などは出来ないのですか?」
 「本来なら出来る。本人自身が魔術協会などの地位に固執してたりする場合には、言い方は悪いがそれを脅しにすれば厳罰なんかも出来るんだが、本人は寧ろ辞めたがっているんだよ。それに、あいつの研究者としての成果の技術や魔術協会内部の教育施設での1、2を争うほどの人気講師ぶりのせいで辞めさせられないんだよ。あいつを心酔する生徒とかも居たりして、中には親が魔術協会に対してかなりの影響力を持っている生徒なんかも居るんだが、そう言う餓鬼に限ってあいつの徒弟なんだよ」

 アザゼルの長い説明の後に、何とも言えない様な気怠さを感じるリアス達。

 「さて、この話もこの辺で良いだろ?そ・れ・じゃ?楽しい質問タイムといこうか!」

 アザゼルの不気味な笑みを受けた士郎は、憂鬱な表情を隠そうともせずに露わにする。

 「そう嫌そうにすんなよ!取って食ったりなんかしねぇよ」
 「しろ「勿論ですよ。私は衆道の趣味は無いんですから」

 ゼノヴィアが反応して叫ぼうとした瞬間に、
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