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英雄は誰がために立つ
Life12 聖書の子らの新たなる道 −締結、駒王協定−
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します!総督殿は部下の教育が甘いようでいらっしゃるようですか、そうなれば安心できませんので」
 「言われんでもわかってるよ、お前さんの眼を見れば嫌でも・・・。って事でこちら側からは、何かしらの便宜を図らせてもらうする」

 士郎の皮肉の籠った言葉に、アザゼルは顔を曇らせながら自分たち側の方針を伝えた。
 一誠の悪魔への転生の一件やコカビエルの事もあり、余計に強く出られなかったのだ。

 「――――でしたら、人質については我らの方から出すしかないようですね?サーゼクス」
 「ふむ、誰にするかが考え処「ルシファー様!」ん?」

 そこで祐斗が声を上げた。
 それからギャスパーと頷き合ってから言う。

 「その人質役、僕らでどうでしょうか?」
「へ?」
「ゆ、祐斗!?ギャスパー!??」

 自分の可愛い眷族である祐斗とギャスパーは、自ら人質役になると発言した事にリアスは驚きを隠せなかった。
 そんな2人の内、発言した祐斗に向かい真面目な顔で聞くサーゼクス。

 「理由は?」
 「藤村先輩は、平穏な日常を壊されることを嫌うと思うんです。ですが、形式上とは言え矢張り人質役が必要・・・。でしたら、日常をできるだけ壊さない様に生活リズムがほぼ同じの者が適任なのではないだろうかと思いまして」

 祐斗の語る理由は理に適っていた。しかし――――。

 「建前はいいとして、本音は?」

 敢えて本心を聞き出そうとする士郎。
 そんな士郎に臆さずに答える祐斗。

 「藤村先輩は悪魔に転生しているワケでもないにも拘わらず、その魔術を抜きにしてもトンデモナイほどの実力者だと思います。ですから、その強さの秘密に興味が有るんです!」
 「ぼ、僕は、対人恐怖症を直したかったところだったので、丁度いいかと思ったんですぅぅぅ!」

 祐斗に続いてしっかりと自分の理由を口にしたギャスパー。

 「――――と言う事らしいけど、それでいいかい?士郎」
 「流石に即答は出来ないんですが、その方向で検討させて頂きましょう。だがな、俺はそんなに強くないぞ?」
 「現白龍皇を雑魚扱いできる魔術師が、弱いワケねぇだろうが!」

 士郎の謙遜な態度にすかさずツッコみを入れるアザゼル。
 しかし、士郎の主観(・・)から言えば謙遜などでは無い。
 それ以前に自分が何故ここまでの実力を持ち得ているのか、我ながらよく解っていないのが現状だった。

 「それに、俺はそこに居る李よりも無手なぞ比べる事すら烏滸がましいほど弱い・・・・・・って、いつの間にかいなくなってる!?様子見計らって逃げやがったな、アイツ・・・・・・!」

 先程までに居たであろう地点は勿論、この部屋の中の何所へも存在を感じられなくなっていた。
 事実、本
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