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英雄は誰がために立つ
Life12 聖書の子らの新たなる道 −締結、駒王協定−
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拠に!」
「この数年、どれだけ君と顔を合わせたと――――話したと思ってるんだい?君が嘘を付いている事位判るさ」

 顔は全体的に笑っているが目だけは笑っていなかった。理由は言うまでもないだろう。

 「くはは!図星を言い当てられて、ポーカーフェイスが崩れ取るぞ?士郎よ」
 「李!」

 また何所からともなく声が聞こえ来たが、今度は士郎を標的にしたからかいの声だ。
 そして士郎はある一点を見つめて、声を荒げる。如何やら見えざる人物はそこに居るようだ。
 そんな2人をよそに、サーゼクスは本気の溜息をつく。

 「如何いう事かな?士郎。如何して君は僕の事を差別するんだい?」
 「・・・・・・話の論点が、かなりずれているんですが?」
 「あれ?この話を最初に反らしたのは士郎じゃないか!」
 「・・・・・・・・・・・・」

 サーゼクスの追い立てに、苦虫を潰したような表情をする士郎。そしてサーゼクスは笑っている。 少々黒いが。

 「まぁ、いいだろう。話はこの会談後にゆっくりとね♪」
 「・・・・・・そ、それで話を戻しますが、私は如何したらいいんでしょうか?無論、拘束される気もありませんし、強行すると言うのなら此方もそれ相応の切り札の一つ(カード)を切る事に成るんですが」

 何とも緊張感が薄れた空気の中、士郎は話を戻した。
 問いを投げかけられたミカエルと特にアザゼルは、肩透かしを食らった感じだった。

 「んーーー、そうだなぁ。部下の早まった行動には当然俺の責任が付いて来るし、相応の謝罪を形で示すしかない様だな。今後ともよろしく頼みたいともいえる形で」
 「それは、私の存在を許容すると言う事ですか?」
 「当然ですよ、藤村士郎君。確かに君の魔術は人間が持つには危険すぎますが、その魔術は君だけしかまともに使えない上に、貴方自身の人格も良人だと判断できますから」

 ミカエルは士郎の性格を良人格と称した。
 だが士郎は心中でそれを否定した。
 何故なら、今あるこの身は嘗ての夢を追う存在では無く、家族や親しい友人達を最優先にする魔術使いになったのだから。
 客観的に言わせれば、我が身を余り顧みない処は変化が無いようにも思えるが。

 「ですがこのままでは、藤村士郎殿の身の安全を保障する証としては不足かと」
 「って事は、俺達の三大陣営の中の人員をコイツの処に住まわせる・・・・・・つまり人質を差し出すしかないって所か」

 士郎としては身の安全を保障されるのは嬉しいが、此方側の者を家に住まわせるのか――――と、憂鬱になった。

 「――――言っておきますが、そこで倒れている堕天使殿とミカエル様の付添いとして来られた天使殿はお断りしますよ!日常生活が崩れかねない。それと堕天使陣営からはお断り
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