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英雄は誰がために立つ
Life12 聖書の子らの新たなる道 −締結、駒王協定−
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歩いていたが、ゼノヴィアは士郎に何か聞きたそうな目線を向ける。

 「あのー、士郎さ「ゼノヴィア」あっ、はい!」

 ゼノヴィアに顔を向けずに、口を開く士郎。彼女の心情を察したかのように優しく言いかける。

 「聞きたい事は山ほどあるだろうが、それは明日にしてくれ。今日は色々と疲れたんでな」

 ゼノヴィアの頭を優しく撫でる士郎。
 彼女としては嬉しくもあり気し持ちいいのだが、女として思われて居なのかと考えたくなる事だった。
 それに、ゼノヴィアが聞きたい事は士郎の強さの秘密――――では無く、あの時目の前で堂々とカミングアウトした返事の部分である。

 (明日って事は皆やミカエル様もいらっしゃる前で聞けと言うのか?まさかこれは・・・!桐生の言っていた恥〇プ〇イと言う奴か!?士郎さんは私の事を早速自分色に染め上げようと言うのか!)

 思わず妄想して、鼻血を吹き出しそうになるゼノヴィアだったが、鼻を押さえてギリギリで踏みとどまる。
 そのゼノヴィアの行為に不思議がった士郎は、何を勘違いしたのか可笑しなことを言ってのける。

 「大丈夫か、ゼノヴィア?もしかして今更になって戦闘の恐怖に身震いしているとかか?」
 「はい?・・・・・・・・・いえ、別にそう言う事では・・・」
 「遠慮する必要はないぞ。何なら今日は一緒に寝るか?」
 「!?!?!?!?」

 思わぬ事態と士郎の言葉に、色んな意味で混乱するゼノヴィア。

 (一緒に寝るかだと!?これはまさか!一気に勝ち組決定!?つまり私は帰った後即士郎さんに・・・)

 ぶはっ!!

 今度は踏み止り切れずに鼻血を吹き出すゼノヴイア。

 「ちょっ!大丈夫かゼノヴィア?まさか、鼻に被弾か何かしていたのか!?」
 「ら、らいじょうふれふ。それほるも・・・・・・帰ったらその、不束者ですがお願いします!!」
 「?あ、ああ」
 (添い寝するだけでそんなに勢い付けられてもなぁ)

 お互いの考えが不一致になったまま、帰ろうとする2人に少々距離がある地点の物陰から複数の人影が有った。
 風貌は、バルパー・ガリレイを掻っ攫ったアサシンにどちらも似ているが、背丈や体つきが微妙に違っていた。

 「アレがマスター経由での、キャスター所望の人物か」
 「戦闘を見る限り相当な手練れだが、我らの『気配遮断』で一気に懐に潜り込み、片割れを人質にでもすれば如何とでもなる。あの者は、我が身を省みず小娘を守ったのだからな。十分イケるであろう」

 そうして話し合い、行動に移そうとしたその時だった。

 ヒュン!

 「がっ!?」

 バタッ。

 「な、何!?」

 突如として相方が倒れた事に驚愕するアサシン。
 よく見れば、倒れたアサシンの後頭
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