暁 〜小説投稿サイト〜
ココロコネクト〜六つ目の頂点〜
ヒトランダム
隠し事
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
れね、言ってなかったけどうちの両親離婚してて母親と2人暮らしなんだよ。でもって母親も忙しくて。ま、そこいらの男なら催涙スプレーぶっかけてぼっこぼこにしてやればいいから大丈夫――」

「全然大丈夫じゃない!!!そんな風に甘く見てるのが一番危ないんだからね!何かあってからじゃ遅いんだよ!」

桐山は常に感情の起伏は激しい方だとは思っていたが、いきなり雷が落ちたかのような迫力で桐山は怒り出した。この怒りはいつものような照れ隠しとかそういうのではないことはすぐに分かった。しかし、なぜここまで……

「あ、えっと、ごめん……」

桐山の迫力に気圧され半ば呆然としたまま永瀬は謝罪する。それで桐山も落ち着いたのか謝罪し返した。
それで一件片付いたようなので再び主導権が稲葉に戻る。

「他になんか言いたいことある奴いるか?」

はいっと挙手して今度は俺が主導権をもらう。

「言いたいことっていうか話し合いなんだけど、それぞれ家で入れ替わった時の注意事項今のうちに言い合っておこうぜ」

「そうだな、なら言い出したお前から何か言え」

そう言って、稲葉は俺に発言を促す。

「この前入れ替わった時に八重樫には言ったんだが、夕食前なら夕食は九時以降に自分で作ってくれ、入浴はできればしないで欲しい。最悪日付変わってからで頼む。後、できる限り自分の部屋に引きこもっておいてくれ」

これで自分の番は終わったというように稲葉に視線を向ける。

「アタシは……そうだな、できる限り物をいじらないでくれ。あと、今武藤が言った引きこもるっていうのは全員共通でいいよな?それから男共、アタシと入れ替わってる間に風呂入ったらぶっ殺すからな?」

睨み付けてくる視線だけで人が殺せそうだ。恐ろしい……
稲葉の忠告で空気が凍った。誰も続けて発言しない。

「他に何か注意して欲しい奴は?」

特に誰も主張しない。みんな意外に隠し事とかないのか。というか、みんな最低限の節度は守ってくれると信じているから言うことはないのか。
返事なしを意見なしと受け取った稲葉はここで話を切り上げた。

その後は反省会のようでただの雑談が続いたが、しばらくすると家族が帰ってくるとのことで稲葉家を追い出された。俺は最初から乗る電車の方向が違ったため駅で他の四人と別れた。


人生生きているといろいろとタイミングが悪いことがある。
その晩、いつものように日付が変わった後お風呂に入っていた時にそれは起こった。
もう何度目か分からない、慣れてきた視界が暗転するような感覚の後、見たことある部屋にいた。
見たことあるというか今日行ったばかりの部屋だった。
つまりは稲葉と入れ替わったわけだ。今すぐ確認の連絡を取ろうとして止めた。今の今まで俺は風呂場にいたわけだから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ