ヒトランダム
隠し事
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気が付くと目の前にある課題の種類が変わっていた。というか、部屋も変わっていた。
ここは誰の家だ……
と思ったがすぐに特定できた。プロレスのマスクが置いてあるのを発見したからだ。こんなもの置くのは八重樫くらいしかいない。
慌てて八重樫の携帯電話を探す。幸い机の上に置いてあったのですぐに見つかった。
慣れない携帯電話を使い、自分の携帯へと連絡を取る。
ツーコールの後、俺の声が携帯の向こう側から聞こえた。
「武藤か?!俺だ!八重樫だ!」
予想通り俺と入れ替わったのが八重樫だとわかった。
「ああ、俺は武藤だ」
電話の向こうから一つ溜息がこぼれた来た。
現状を把握してひとまず落ち着いたのだろうか。
「にしてもこの部屋、すぐに八重樫の部屋だってわかったよ。このマスク、相変わらずだな」
「それは褒めてるのか?」
「別に……ただ感想を述べたまでだ。それより、何か注意したほうがいいことあるか?この入れ替わりにおいて」
軽口をたたき合っていても入れ替わりが終わるわけではないので、本題を切り出す。
要は入れ替わりの間してはいけないことを聞き出す。稲葉曰くのこのトンデモ現象、率直に言えばプライベートをまる覗きなのだ、配慮くらいはしないと信頼関係総崩れだ。
「いや、特にないよ。強いて言うなら普通にしておいてくれ。あ、後この入れ替わりが長かった時のことを考えると宿題やっておいてくれるとありがたいんだが……」
ちゃっかりしたやつめ……
少し苦笑しながら返答する。
「わかったよ……そのかわり八重樫も俺の宿題やっといてくれよ」
「もちろんだ。そういう武藤は何か要求あるか?」
要求か……言ってしまうべきか、言わないでおくべきか。できれば言いたくないが、ここで言わなくて後々に被害が出るのもたまったものじゃないか。
「……できる限り、家族との会話はなしで。夕飯は九時以降に自分で作ってくれ、風呂は日付変わってからで頼む。理由は……聞かないでくれ」
このセリフが八重樫にはどのように聞こえたのだろう、しばらく無言の時間の後、わかったと返事があった。そして、じゃあまた明日と明るい声で言い電話は切れた。
それにしても、まさか夕方に稲葉がまとめてくれたことがこんなに早く生きてくるとは。
さてと、八重樫になりきるか。
決意したちょうどその時、階下から小学生女子の声が聞こえた。
「おにーちゃーん、ご飯出来たよー?」
これがたまに八重樫が話に出してくる妹の声か。たしか八重樫は二人兄妹だったよな。歳そこそこ離れてるし、きっと仲良いよな?
部屋の扉を開けて階段を降りる。
八重樫家が豪邸じゃなくてよかった、これくらいの家の大きさなら迷わなくて済む。
一階に降りると、扉が三枚あった。どっちだ……
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