番外編:パラレルワールドに行きます 〜その一〜
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る。俺はその視線に対して気まずそうに顔を背ける。それにしても、イリナもそうだがどうやら、この世界はまだ変態による汚染が少ないらしい。非常に羨ましい限りだ……くそがっ! なんでこの世界はまともなんだよ!
「あなたも、こちらに来ませんか? すぐに気持ちよくなりますわ。まずはむち打ち百発からですわ」
「け、結構です!」
どこからか取り出した鞭を俺に押し付けて来てハアハアと荒い息遣いで四つん這いになる焼き鳥女。そのすがすがしいまでの変態っぷりに俺達以外はドン引きだったりする。因みに俺達はこんなことは日常茶飯事の為に今更驚かない。だが、お前が元凶か、といった目で見られるのは流石に辛い物がある。
「おい、俺をこんなドMの変態と一緒にするんじゃねえよ!」
「さあ、その罵声と共に私に鞭でお仕置きを!」
「…………………」
「あんた結構苦労していたんだな……」
「言うな……」
情けないことにこの世界の俺に同情の目を向けられてしまう。何となく、全員が俺に向ける視線が温かい気がする。俺は暴君のはずだろ? なのに、なんだこのざまは。ちくしょう……変態と関わるとやっぱ碌なことにならねえ。
「え、えっと、アーシア・アルジェントです」
「わ、わたしもアーシア・アルジェントです」
「「よろしくお願いしま―――はうっ!」」
そんな空気を壊してくれたのは二人のアーシアだった。何やら、自己紹介をしようという考えに至ったらしく、二人そろって同じ名前を名乗り、頭を下げた所に相手の頭と衝突させてしまい涙目になっていた……ああ、俺の胃が癒される。
「よかった……アーシアはどの世界でもアーシアなのね」
「アーシアまで可笑しかったら俺はどうしようかと……」
この世界のリアス・グレモリーと俺が、アーシアが普通だったことに感動して涙を流しているが、どうもその考えは間違っている気がする。確かに見た目も性格も同じだがどうにもこの世界のアーシアは弱い気がしてならねえ。……試してみるか。
「アーシア……両方だ。正拳突きをしてみろ」
「はい、イッセーさん」
「え? 正拳突きってこうですか?」
この世界のアーシアはやったことがないのか可愛らしく、えい、と掛け声を出しながら弱々しいパンチをする。ああ……やっぱり俺の世界の奴らにマトモなのはいないらしいな。俺は不思議そうな顔をするこの世界の奴らをよそに溜息を吐く。
「それじゃあ、行きますね。えい!」
同じく可愛らしい掛け声と共に放たれた“アーシア”の正拳突きは目に追えないスピードで繰り出され腕が完全に止まった後からパンッというピストルのような音が聞こえてくる。
「………い、今音が
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