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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
最終話 平凡な日常を望む転生者
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「久しぶりじゃの」

気がつけば俺は真っ白な空間に佇んでいた。この光景は覚えがあった。

「久しぶり爺さん」

バルトマンとの戦い以来1度も会っていなかった、俺を転生させた神様がそこに居た。

「先ずはお主に謝ればならんことがある」
「エリスの事か?」
「いかにも。だが分かってほしい、ワシは彼女の願いを尊重しただけじゃ」
「別に怒ってないよ。お陰で最後にエリスと会えたし、エリスの想いも分かった。むしろ感謝してるくらいさ」
「………そうか、ならばいい」

そう言ってうんうんと頷く神様。

「それで神様、俺はやっぱり死んだのか?」
「何を勘違いしておるのか知らんが、よく思い出してみよ」

そう言われ、神様の言われた通り、思い出してみる。

「確かセットアップしようとしたらエリスにビリッとやられてそのまま意識が薄れていったんだっけな………えっ!?って事はどうなったんだ!?」
「それは戻ってから聞くが良い。お主にもう1度こうやって会ったのは伝えたいことがあったからじゃ」
「伝えたい事?」
「遠藤エリスは転生する」
「転生………じゃあまた俺みたく………」
「違う。命の法則に従い、歪めた主達のような転生ではなく、新たな個として生まれ変わるのだ」
「それじゃあエリスは………」
「遠藤エリスとして生きていくことはない」

そう言われ、俺はショックで固まってしまった。

「またこうやって再会できたのにか………?」
「そうじゃな」
「これからも一緒に生きていけると思ったのに……何とか出来ないのか?」
「出来ん。……むしろワシはこのままの方が良いと思っておる」
「なっ!?」

不意に呟かれた言葉に怒りが募る。人を簡単に転生させられるからと言って無責任すぎると思ったのだ。

「そう怒るな。主は分かっているのか?デバイスと言うことは彼女はお前が死んだ後でもデバイス自体が完全に壊れなければずっとあのままだと言うことを………」

そう言われ募っていた怒りが徐々に消えていく。

「そうか………あいつは………ラグナルはデバイスだったな………」
「それにお前の幸せを彼女はずっと見続けていかなければならない。それだけじゃない、周りだけ老いていく中、変わらない自分を見てどう思うか………」

神様に言われ、想像していくうちにとても恐くなった。
独りぼっちの苦しさは先輩が死んだ後、身に染みて感じていた。それが永遠と続くとなると本当に恐ろしい。
独りぼっちじゃないかもしれない。俺の子供やなのは達の子供と繋がりは途切れないだろう。だが孫ひ孫と続いていくと考えると気が狂いそうだ。

「分かったようじゃの。遠藤エリスはその事も承知の上でデバイスに封印される事を選んだんじゃろうが、そんな戒めもう必要ないだろう…
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