マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0936話
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ニャは苦笑を浮かべるだけで済ませる。だが、ボーゼスとパナシュの2人は目の中に恐怖を浮かべつつも、自分達の行いで帝国その物が眼前で愚弄されている屈辱に耐えているのが分かる。
「ま、その件に関してはピニャに対して貸しを作ったという事で解決したし、俺からは特に何も言う事はないな。それよりも食事にしようか」
そう告げ、食事を開始するが……当然、ボーゼスとパナシュの2人が俺と会話が弾む筈もなく、かといってピニャを前に2人だけで会話をする訳にもいかず、結局は俺とピニャの間でのみ話が進んでいく。
さすがに領主の館と言うべきか、あるいは皇女であるピニャがいるからなのか、出されている料理は焼きたてのパンに野菜スープ、ベーコンやウィンナーといった代物だ。
普通であれば皇女が食べるには質素だと言いたくなる食事だろうが、つい数日前まで盗賊に襲われていたという事を考えると、焼きたてのパンや温かいスープのような代物は豪華な料理だと言ってもいいだろう。
もっとも、既に盗賊は全滅した以上はそう遠くないうちに商人の行き来も活発になって交易都市としての活気を取り戻し、物資不足もなくなるだろうが。
そんな風に会話をしながら食事をしていると、やがてピニャが持っていたパンを皿の上に置き、改めてこちらに視線を向けてくる。
「アクセル殿。今日アルヌスの丘に向かう件について、ボーゼスも共に向かいたいと言っているのだが……構わないだろうが」
ピニャの視線が向けられたのは、金髪縦ロールの女。
俺に視線を向けられたのを理解すると、一瞬身体を硬直させるがすぐに頭を下げてくる。
「アクセル様、今回ピニャ様がアルヌスの丘に向かうのは私達の件が原因だと聞いています。そうである以上、その事態を招いた私も共をさせて頂きたいのです」
さて、どうするか。
別にアルヌスの丘に、そしてホワイトスターに連れていく人数が1人増えるのはそれ程問題ではない。唯一の難点としては、ピニャがサラマンダーに乗る時に少し狭くなる程度だ。
それに、俺達がどの程度の力を持っているのかを体験するのは多い方がいい、か。
「分かった、そっちが構わないのならそれでもいい。だが、アルヌスの丘まで向かう時は多少狭くなるぞ?」
「そのくらいなら構わんさ。なぁ?」
「はっ! ピニャ様、アクセル様にはご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします」
そう告げ、多少空気が緩くなったところで朝食が終わるのだった。
……本当に今更だが、フォルマル伯爵家の現当主であるミュイの姿がどこにもなかったな。まぁ、年齢を考えれば政治の話に顔を出せなくても無理もないんだろうが。
フォルマル伯爵家の屋敷の庭、ある程度の広さがあるそこに、俺とピニャ、ボーゼス、ハミルトン、パナシュ、
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